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恐るべし!訪問販売

正しい仏壇の訪問販売

 ところで最近は「あんたのうちの仏壇は邪教だから悪いことがある」と「本尊大曼荼羅」入りの程度の低い仏壇を高額で売りつける仏壇の訪問販売は減ったのでしょうか?昔はそういうことを平気でやっていた評判の悪かった(寺院関係者のあいだでは)仏壇屋の親子の息子のほうにこのあいだ思いがけないお寺さんで久しぶりにあったら恥ずかしそうに会釈するじゃないの。どうしたのと聞いたらあのあこぎな宗教団体からは足を洗ったと、まっとうな商売が大事ですよと頭を下げる。「法華経には悪人デーバダッタだって成仏するって書いてあるじゃないの。大丈夫だよあんたも。」とからかうと困ったようにニヤっと笑う。「あっはっは。謗法、仏敵、大増上漫の禅天魔が言うことだから気にしないで下さい。」とその場を辞した。

 この男の父親はうちの祖父に「邪教のクソ坊主!仏敵!」と石を投げつけたのだからすごい。祖父は怪我をして病院に運ばれた。警察でも「謗法、仏敵、大増上漫を制裁しただけだ。オレは悪いことをしたとは思わない。」と嘯いたそうだ。にも関わらず祖母は憤慨するくまにこういった。「あのうちは昔はお金が無くて本当に大変でねぇ。それでお爺ちゃまが仏壇を買う人を紹介してあげてね。そうそう他のお寺の檀家さんにもねぇ。」という祖母の話を総合するとこうだ。

 戦後疎開先から還ってきた一家は空襲で焼け出され住むところもなく祖父の住職する寺に間借りして(家賃なし!)寺の手伝いをしながら生活を始めたらしい。そこへ親父が復員してきても仕事がない。そこで祖父の紹介で仏壇の製造元を紹介してもらって仏壇の販売を始める。やがて日本の復興とともに小さな仏壇はよく売れるようになり門前で独立を果たした。ところがいつの日か夫婦そろって創価学会に入信する。その後販売先の檀家とはトラブル続きだったが学会員に二束三文の仏壇を高額で売りつけて急に羽振りが良くなった。そればかりか団地を訪問しては方角が悪いとか邪教に入っていると家族のものが不幸になるとか言って入信させ学会純正の仏壇を売りつけさらに事業を拡大させた。

 そんな一家を祖母も祖父も一生懸命働いてやっと暮らし向きがよくなったのに変なものに取り憑かれちゃってかわいそうな人たちだからと終始丁寧な態度を変えず傷害事件の時も警察には穏便にということで不起訴になった。ところが親父のほうはそのあと脳溢血で倒れて直ぐに亡くなる。話を聞いてはらわたが煮えくり返りそうだった僕は子供心に「ざまぁ見ろ!大作なんかに仕えてもご利益なんか亡いじゃないか!」と思ったのを思い出す(笑)。創価学会ネタにも結構反応があったもんですから、訪問販売と創価学会という二つのキーワードでこんな話を思い出してしまいました。