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ゴシップ小説にも真実は見てとれる

毛沢東の私生活 李志綏

 以前に JANJAN毛沢東が王になる思想としてマルクス主義を使ったと李志綏博士の「毛沢東の私生活*1」を踏まえて書いたら中国信望者のかたから『怪しげなゴシップ小説』と非難されてしまった(笑)が実は例えば私怨に満ちたゴシップ小説(僕にはこの本がそうだとは思えないが)のなかにも信憑性のある記述はあるものだと思う。仮に李博士毛沢東を怨んでいたとしても毛が自分と党幹部の関係や人民との関係を考える例えとして党幹部達に出した例題や逸話がマルクス・レーニンの著作からではなく三国志などの中国の古典から王と官吏の関係を引き合いに出して語ったことのほうが圧倒的に多いということまでは私怨によるでっち上げのテキストであるとしてもその多くは事実であろうと考えることが出来る。毛沢東マルクス主義者などではなく、始めから中国の古典に手本を求め王になるべく務めたことがこういうことから伺える訳だし、毛のとった政策がマルクス・レーニン主義的でなく中華思想的であったことを考えれば合点がいくわけである。

 JANJAN のこの記事*2のご意見板が記者が提起した日本軍の犯罪としての「南京事件」よりもチベット民族浄化を覆い隠すプロパガンダとしての「南京事件」として議論が盛り上がってしまったのが記者には気の毒というほかはないが、それこそ市民による自由な言論空間として評価されるべきものであった筈なのだが、日本軍の犯罪としての「南京事件」が擦れてしまうことに、自身も共感しそうした運動をバックアップしたかった JANJAN 編集部には面白くなかったに違いない。結局 JANJAN 編集部の主張するメディアとは左よりの「市民」の感覚を正当な議論で論破されてしまっては困るようなものでしか無かったのだと思う。それはともかく多くの客観的事実を提起する論者の前に中国信望者の資格試験勉強中という25才の青年は暴言を吐き続けたが、別にその青年に対抗しようなどという気はさらさら起きないのだが、どうしてそんなに中国を正義として信望出来るようになるのかが僕には興味深かった。

毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

毛沢東の私生活〈下〉 (文春文庫)

毛沢東の私生活〈下〉 (文春文庫)

*1毛沢東の私生活 李志綏 著、新庄哲夫文芸春秋 ; ISBN: 416730970X ; 上 巻 文芸春秋 ; ISBN: 4167309718 ; 下 巻

*2JANJAN の 2004/11/27 の記事 ファルージャと南京、イラク戦争と日中戦争。記事自体はイラク戦争日中戦争になぞらえながら「南京事件」を持ち出すどこにでもあるようなステレオタイプの駄文。だが続くご意見板では記者の意図とはおそらくまったく反対にチベット民族浄化を覆い隠すプロパガンダとしての「南京事件」として議論が盛り上がった。良い議論だったと思う。