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夏樹静子の短編集を読みながら

ミステリーは面白ければいいのだ

 ランチを食べるのに一人だったものだから都合良く古本屋があったので[asin:4167184222:title=夏樹静子の短編集]を買って読みながら食べた。食べたのは喫茶店のカレーピラフで別段書くほどのことはない。というわけでおかずになるのは本のほう。夏樹静子は日本のアガサ・クリスティーと言われて久しいけど、ずいぶんとテレビのサスペンス劇場で取りあげられてテレビで見た気がするストーリーもあって新鮮味には乏しい。たしかに面白いしそんなに頭を使う必要もないのでどんどん読み進める。本を読むと言うより映像を見ている感覚だ。

 あっという間に読み終わった読後感なんだけど、だいたいこんなに簡単に人が殺されていいのか?と思わないか。一冊で7~8人は殺されるからな。それも浮気がばれたとか、金が返せないとかの理由でさ。こんな動機で人殺していいんだろうか。犯人のどうしてもあの人間を消さなきゃと決意するまでのプロセスの構築が足りない気がしてしまう。そしてインテリ風の主人公ですらそういうところすっ飛ばして人殺す割にはアリバイのトリックや人をえん罪に陥れるトリックは長けている。トリックで他人を犯人に仕立て上げるというのは自白がなくても犯人仕立てやすい、つまり現実的に実際、冤罪がまかり通るってことを作家達が承知しているということか・・・

 ミステリーはエンターテイメントであって純文学じゃないんだから面白ければいいのかもしれないし、こちっもそのつもり読んでいるのだからこんなことをグダグダ言うべきではないのかもしれない。いや、待てよ、現実の殺人事件だって実は他人からみたらたいした動機無しに実行されているじゃないか。実にばかばかしい理由で人が殺されている。そのことを気にかけ憂うべきなのかもしれない。やっぱり殺人事件をエンターテイメントにしてしまうのは?とミステリーに疑問を投げかけて見て反省した。ミステリーが無くなれば殺人が無くなるわけではない、ネットやゲームを無くしても殺人が無くならないのと同じように。殺人事件に秘密はないさ、秘密があるのは殺人を犯す人のほうだ(笑)

夏樹静子のゴールデン12(ダズン) (文春文庫)

夏樹静子のゴールデン12(ダズン) (文春文庫)