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安倍ちゃんが小泉さんを越えるのはそれほど難しくない?

小泉改革の成果は政権党としての責任の取り方を一歩進めたことだ

 安倍内閣統一協会保護策とそれにまつわる疑問点をいくつか挙げた。実際に安倍ちゃんを始めとして彼を取り巻く連中、たとえば山谷えり子中川秀直保岡興治増原義剛らが統一協会のありかたを是としているわけでもあるまいし、教義を支持しているなんてことはあり得ないとも思う。問題はそういうところにはなくて紀藤正樹弁護士が述べるように『統一協会が日本に上陸して40年以上、摘発されたオウム、法の華以上に、問題が根深い統一協会問題を放置したのは、結局自民党政権ではないのか』というところにあると思う。安倍ちゃんは統一協会シンパだなんて揶揄した由縁はここにある。戦後の混沌とした時代に統一協会国際勝共連合という組織を作って創価学会と共に日本の共産化の砦になった。その勝共連合岸信介が手を結んだ。その関係が父親である安倍晋太郎へと引き継がれて今日まで続くわけだが安倍首相と統一協会の関係はここから始まる。

 その後しばらくして田中角栄創価学会と手を結ぶようにもなるから、労働運動と学生運動が結びついていく日本左翼運動の高揚に政府自民党が危機感を覚え、むしろ貧困の内側から左翼運動潰しに動いた勝共連合創価学会に対して岸や田中が手を結ぶのは当時ならある意味理に適っていたといえよう。エリート主義でありまた官僚主義から抜けきれなかった当時の社会党共産党の敗北は既にこの時点で明らかだったのだ。本来貧困に積極的に入り込んで組織化していく使命はマルクス主義政党にあるはずである。しかし我が国ではその将来性をカルト宗教が掠め取ったのである。しかし手を結んだ宗教側の意図は自民党献金、もしくは票を提供することによって自らの将来の発展と安泰をたぐり寄せようとしたわけだから政権政党としてはどこかでその同盟を解消しなくてはならない。なにしろその後の創価学会は巧みだった。統一協会創価学会ほど旨く立ち回ったとは言い難いもののそれでも企業や民間団体にしっかりと根を下ろしていく。にも関わらず自民党はあまりにに呑気だった。むしろ集票と集金マシンとしての統一協会とズルズルきてしまったというのが真実だろう。

 例えば小泉さんのとき統一協会の問題が騒がれたら小泉さんはどうしただろう。一概には言えないけれど郵便局という巨大な票田と集金マシンをあそこまでして切り捨てた様に、統一協会も切り捨てたのではないか?小泉さんは国民大衆の望む政治的な価値がどこにあるかをちゃんと見極めていた人なんだと思う。実際、郵政民営化に反対した人たちの復党をあいまいなまま実現することに彼は危惧を抱いている。それは国民大衆の求める日常的価値観に反するからなのだ。ちなみに世論は過半数が復党に反対だそうだが小泉さんはこんな世論調査より早く復党に危惧を表明した。彼は郵政民営化という公約=すなわち国民の求める日常的な価値を実現するために、反対する自民党議員にに責任を取らせて見せた。実際自民党政権というのはどんなにピンチが訪れようが国民の望む価値を提供しながらそれを最大限に活用して、その背後でなるべく目立たぬように彼らの考える国益を実現するために政治活動をしてきた。今回は郵政民営化という価値を創造しながら背後では米国の資本を大量に我が国に導入している。そして国民の望む価値観の積み上げの中で失政に対する責任を閣僚の辞任と総理大臣の交代という形で取ってきたのだ。選挙制度の問題もあるがそれにしてもこれだけ長くのあいだ政権政党で有り続けると言うことは国民が自民党の創造する価値を認め支持してきたということに他ならない。

 安倍ちゃんが小泉首相を超えようとするなら小泉さんが森内閣までよりもより一歩進めた価値の創造とその失政に対する責任の取り方を踏襲していかなくてはならない。そうすることがより国民の信頼を得ることになるのだと思う。殆どの国民は日本の将来を含む長いスパンでの舵取りを評価しない。それがイデオロギー的であれ、経済的であれむしろカタルシスにも似た日常的な価値の創造を評価する。その評価への支持を基盤に実は政治家としてどうこの国の舵を取っていくが政治家に要求される手腕であろう。わたしが安倍首相の「美しい国」を批判するのはその殆どが戦後に日本経済の如く宇宙大にまで膨らんだ日本人の日常的なストレスのガス抜きにしか見えないからだ。もちろんそれも日常的な価値の創造という観点からは重要だし、政権のプロパガンダとしても有効だろう。しかし小泉さんが郵政を票田から切り離しても他の票を結集することで公約を守ったように、ここいらで統一協会とはしっかり手を切るべきだろう。統一協会は祖父の代から続く言わば安倍家の負の遺産である。責任の取り方が前任の小泉さんより後退したらなんの意味もなさないのである。