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初夏

日傘もオープンカーも襤褸家もこの町に良く似合う、それは僅かに早い暑い日差しのせいかもしれない

 特急列車で午後に着いた連休の中日にカメラを持って外に出る。北関東の町はすっかり夏。焼けたアスファルトが古都の町並みを貫き、直ぐ背後には主のいない朽ちそうな家。その前を用水路に沿って続くあぜ道。日傘をさした婦人があぜ道を駅への近道を歩いていた。用水路の水面に映ったその姿に今日まで生き抜いた自信と品を感じた。木村伊兵衛の眼(まなこ)が欲しい。あの人の写真は絶対に偶然を撮ったものじゃない。思い描いて構想する絵が引き出しの中に一杯詰まっていて場所と時間に応じてその引き出しに迫っていく。そんな気がしてならない。構想が目の前に目の当たりに展開されたとき『粋なモンです』--- ニヤリと微笑んで情景を掠め取っていく。

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 水面に映る日傘を差した婦人の姿が引き出しの中にちゃんとしまってさえあればずっとずっと素敵な構図の絵が撮れるのに。僕もいつか木村伊兵衛さんのようにそんな写真が撮ってみたい。