スローシャッターテクニック
だれでもやってみることをマニュアル通りにやってみる
写真の入門書、特に風景写真の入門書には必ずと言って良いほど解説されているスローシャッターによる水の流れ。どんな本にも書いてあるのだがスローシャッターで水の流れをぶらすことで水の動的な躍動感が表現されるという。ところがそうして撮られた写真からは僕にはどうしても躍動感を感じることが出来ない。勿論少し幻想的な絵画的美しさは認めることが出来るが躍動感はむしろ早いシャッタースピードでいまにもうねり出しそうな水面のほうに、躍動感を感じる気がする。そこで稲村ヶ崎で水の自由落下距離が大きめな岩を探して遊んでみた。
- 絞り優先 f/6.3 スポット測光 露出補正 -0.3EV ISO 320 SS 1/160秒
- シャッター優先 f/40 スポット測光 露出補正 -0.3EV ISO 100 SS 0.4秒
- 絞り優先 f/6.3 スポット測光 露出補正 無し ISO 250 SS 1/160秒
- シャッター優先 f/40 スポット測光 露出補正 -0.3EV ISO 100 SS 0.4秒
自分は間違っているのかなぁ?と考えながらこの四枚の写真を見比べているうちになるほど手前の大きな水のブレにたしかに躍動感を感じる様になってきた。でも止まって見えるほうも捨てがたい気がする。そう考えているうちに一つ見えてきたことがある。シャッター速度優先でいろいろやるのも、露出優先でやってみるのも結局のところ単なる技術に過ぎない。ちょっと練習すれば誰でも出来る。特に今の高性能なデジタル一眼なら誰だって簡単に出来る。手ぶれ補正付きのカメラやレンズなら三脚すらいらないかも知れない。ひょっとしたら猿でも熊でも出来るかも知れん。しかしつまるところ重要なのは構図なのではないか?水を止まって見せようとブレて見せようとそのテクニックが表現に昇華して撮影者の意図を鑑賞者に伝えるのは撮影者のセンスで決定された構図とレンズの選択ということになるのだ思う。うーん、道のりは遠い。ますます遠ざかっていくように思える orz