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お金持ちなのに野生との共生を国が考えない日本

苫小牧市植苗の林にヒグマの冬眠穴

植苗地区にヒグマ冬眠穴

 苫小牧市植苗の林でヒグマの冬眠穴が見つかった。高速道路の近くで、市ヒグマ防除隊の荒木義信隊長が確認した。樽前山周辺など山のふもとから離れた場所で冬眠穴が見つかるのは珍しく、荒木隊長は「ヒグマの人里接近を物語るもの」と話している。

 場所は、植苗地区を通る道央道の北側1.2キロ離れた林の中。荒木隊長が2005年秋に初めて発見し、その年の冬、穴の中でヒグマが冬ごもりしたことを確認した。昨年秋にも、同じヒグマが掘ったとみられる別の冬眠穴を、同じ林の中で見つけたという。

 冬眠穴は樹木の根元にあり、ヒグマは4—5歳の雄とみられる。林は市街地から数キロ範囲内に広がっており、ヒグマはここを生活のテリトリーにしているらしい。昨年、道央道苫小牧東インターチェンジ付近でヒグマの目撃情報が相次いだが、この林で冬ごもりしたクマの可能性もある。

 支笏湖周辺の森に生息するヒグマは、樽前山や風不死岳など山のふもとで冬ごもりするのが一般的で、山からかなり離れた市街地寄りで冬眠穴が見つかるのは珍しい。苫小牧では05年と06年の2年続けて過去に例がないほどヒグマの目撃情報が人里近くで多発した。こうした中で市街地近くでの見つかった冬眠穴に、「行動圏が人里に接近していることを裏付けるもの」と荒木隊長は指摘。さらに04年9月の台風18号支笏湖周辺の森林が大被害を受けたため、生活圏を人里近くに移した、との見方を示した。

植苗地区にヒグマ冬眠穴 2007年6月5日(苫小牧民報)

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地方自治体手主導のクマシンポジウム

島根ワイド : 29日に益田でクマシンポジウム

 ツキノワグマの被害対策と保護を考えるシンポジウムが29日午後1時から、益田市有明町島根県芸術文化センターグラントワで開かれる。近年は人里への出没が相次ぎ、住民不安も募る。主催する同県中山間地域研究センターと県鳥獣対策室は「クマの生態を知り、人間とのすみ分けを考えるきっかけにしてほしい」としている。

 ツキノワグマは、本州や四国の森林に生息する中型のクマ。西中国山地の稜線(りょうせん)が連なる山間部では農作物被害も深刻化し、昨年度は2件の人身被害もあった。

 今回のシンポでは、知床半島でヒグマとの共存を実践する知床財団統括研究員の山中正実氏が「世界遺産知床半島のヒグマ~クマとヒトの折り合いのつけ方を考える~」と題して基調講演。自然環境研究センターや県西部農林振興センター、県中山間地域研究センターの研究員らが被害実態などを報告し、絶滅の恐れがある希少動物との共存の道を探る。

 参加無料で、定員400人。事前の申し込みが必要で、問い合わせは県中山間地域研究センター(電話0854・76・3819)。

山陰中央新報 - 島根ワイド : 29日に益田でクマシンポジウム

 カルガリー大学のスティーヴン・ヘテロ博士の研究成果によればクマは基本的にはヒトを避ける動物だという。そのクマが人里に接近しやがてヒトに危害を加えるようになるのは、生ゴミや観光客の興味本位の餌付けによってヒトに接近して食料を調達する結果銃で駆除されるという推測をすることが出来ないクマにとって射殺されるまでは何も悪いことが起こらずに容易に食料が調達できてしまうことをクマが学習するからなのだそうだ。さらに元来肉食獣であるクマにとってデンプン類の消化は得意でなく人間と同じように調理されたデンプン類のほうが身体が受け付けやすいのだそうだ。ならば容易に食料が調達しにくい年ほど生ゴミはクマたちにとって魅力的な栄養価の高い食料であることは納得がいく。なんせいくら賢い学習能力が有るクマでも調理は決して学習しないから(笑)(*1)。

 クマをそのようにしてしまったのは我が物顔で自然を切り開きヒトのテリトリーにしてきた人間社会の責任と言うことが出来よう。北米では20数年来ヘテロ博士をはじめとする動物生態学者の研究成果を行政に反映し国家レベルの責任と権限でクマをはじめとする野生動物の管理計画を立て実行して成果を上げている。我が国はそこに大変参考になる先例と資料があるにもかかわらず野生動物の管理行政は地方自治体任せである。北米では罰金刑などの厳罰があるヒトの野生動物に対する無責任な行為も我が国では市町村レベルの行政官が国民にお願いして回らなければばらないのが現実だ。今回のニュースのように地方の野生動物管理計画にかかわる人たちの努力が足蹴にされないことを強く願う。

 JBN(日本クマネットワーク)の会員であり野生動物保護管理事務所の羽澄俊裕氏は1993年に北京で開かれた東アジアクマ会議の席上で英国のNGOのかたから「日本は世界一お金を持っていながら、どうして野生動物の管理システムが持てないのか」と言われて絶句したそうだ(*2)。防衛庁防衛省になろうが、自動車メーカーや家電メーカーが米国でNO1になろうが、地方都市にアップルストアが出来ようが、パソコンや携帯がどれほど普及しようが、我がニッポンはこんなことでは先進国の仲間入りがまだまだ出来ない極東の辺境にある野蛮な国である。

*1:ちなみに S.ヘテロ博士の実験によればクマの記憶力は猿や犬より高いそうである

*2:S.ヘテロベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (2)』巻末付録 日本のツキノワグマ p515