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これじゃ駆除されたクマも浮かばれないね

ヒグマ目撃相次ぐ 足寄の放牧地で親子5頭駆除

ヒグマ目撃相次ぐ 足寄の放牧地で親子5頭駆除

遭遇回避 対処万全に情報収集、ごみ持ち帰る

 冬眠から目を覚ましたヒグマの活動が活発化する季節を迎え、十勝管内の市町村や警察署に目撃情報が寄せられている。足寄町喜登牛では3日午前に住民がヒグマを目撃し、親子とみられる5頭が駆除された。管内の山林では山菜採りシーズンが続き、今後は夏山登山も本格化することから、関係機関ではヒグマとの遭遇を避けるなど事故防止の注意を呼び掛けている。(安田義教、丸山一樹)


 足寄町などによると、3日午前10時ごろ、酪農業男性(69)の放牧地で、妻(68)がクマ1頭を目撃し、町が指定する駆除員に通報。同午前11時ごろ、駆け付けた駆除員が群れで動いていたとみられる5頭を射殺した。同町内で一度に5頭を駆除した報告例はない。


 射殺されたヒグマは、成獣の雌2頭と雄1頭、子グマの雄雌各1頭で、8歳とみられる雌グマは体重が135キロあった。男性は「敷地内でこれだけのクマを見て驚いた。牛の放牧や作業をする際にはちょっと心配」と不安を募らせる。


 町は6日午後から注意を呼び掛ける防災無線放送を始め、「山菜採りなど入林の際には鈴を付けてほしい。飲食のときには食べ物を落とさないように」と注意を呼び掛けている。


 道警釧本の調べによると、今年は5日までに新得、広尾、足寄、本別、中札内で、計8件11頭のヒグマの目撃が報告された。遭遇に伴う事故は起きていない。十勝支庁によると、道内では毎年約600件の目撃情報があり、活動が活発になる夏が最も多い。


 十勝支庁環境生活課は、ヒグマの生息域に入る場合は、(1)市町村で出没情報を収集する(2)音を出しながら歩く(3)ごみは持ち帰る-など遭遇しないための対処を促し、「事故に遭わないためには、ヒグマに出合わないのが一番。ヒグマのふんや足跡を見つけた場合は市町村に連絡してほしい」としている。

ヒグマ目撃相次ぐ 足寄の放牧地で親子5頭駆除 かちまいWEB版

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 こういうニュースを扱うのはとても残念だ。そもそもこの報道自体が余計な恐怖を煽っている。放牧地が人間のテリトリーなら射殺された5頭の過去の人間の居住地への接近に対する報道がない。屍を解剖すれば彼らが人間の食物や生ゴミ、ハイカーの残した残飯などを食べていたかどうか分かるはずである。あるいはゴム弾や花火弾などでの警告にもかかわらず出没したのなら射殺は適切な処置と言えるのだが、マスコミはそういうことを含めて報道し、今回の駆除がクマと人間の未来にとって適切であったかを検討すべきなのだ。それにもし今回の駆除が適切な処置だったならばそういうクマの出没の報道とセットで『音を出しながら歩く』はあまりにお粗末だ。人慣れして人間から容易に食物を調達できることを学習したクマは人間の出す音など無視するからだ。尊敬すべき偉大な自然写真家・星野道夫さんの死が教訓として活かされないのはあまりに悲しいことだ。

 人慣れしていないクマだったら音は効果があるがニュースで言うような『鈴の音』は殆ど効果がないことは北米での実験結果が明らかにしている。クマの生息地域で『ごみは持ち帰る』は当たり前のことで国立公園法のような法律で違反者には厳罰を下すべきであろう。そうしたた人間の愚かな行為が人間の警告を無視する危険なクマを作り出しているのだから。だからこそ昨日のエントリでも触れたように野生動物の管理計画は国家の責任において遂行されるべきでそれが先進国と言うものだろう。

 そして射殺された5頭が過去に人間からの警告を受けておらずかつ人慣れしていないクマだったら射殺による駆除は人間の自然に対する奢りとでも言うべき犯罪的行為だ。野生動物と国土を共有する国の国民はもっと野生を知り、過去において我々の祖先が動物から言葉を以て立上り論理を獲得して進化してきた人間として責任有る行動をしなければならない。怖いから相手を殺すというのは全くもって論理的ではなく人情だけを拠り所にした野生動物と変わらない野蛮な行為じゃないか?論理ではなく人情が優先されるならそれはもう動物への後退で決して人間的とは言えないのだ。人間は考える動物であるはずである。今回の駆除は先進国としての日本にとってとても懸念される行為であるように思う。