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法的規制はないけれど自主的安全管理

日立の協力によるヒグマの所在地管理

無線LAN+18頭に電子タグ

高精度システムで管理万全

 【新得】広大な山間地で野生に近い状態のヒグマを観察できる観光施設、サホロリゾート「ベア・マウンテン」(町狩勝高原)は、無線LAN(構内情報通信網)と電子タグを使って施設内のヒグマの位置を把握するシステムを導入した。リアルタイムで位置情報がつかめ、安全管理態勢がさらに向上した。(花香光伸)

タグからの位置情報を受信する基地局

 このシステムは、施設内で飼育する全18頭のヒグマに、樹脂で防水加工した電子タグをそれぞれ2個、首輪のように装着し、15ヘクタールにも及ぶ敷地の約20カ所の基地局でタグからの無線を受信。この位置情報を個体識別アドレスごとにパソコンで解析、モニターに表示させる。

 システムは日立製作所(本社東京)製。同社広報部によると、「当社の既存のシステムを数カ月かけてヒグマ用にカスタマイズした自信作」という。施設を経営する加森観光(本社札幌)が採用を決めた。従来、利用してきたGPS(全地球測位システム)と違い、深い森の中でも正確に情報が得られ、GPSよりも精度の高い1-3メートルの誤差での運用が可能だ。

 万一、ヒグマが飼育区域外に出た場合は、瞬時に管理者に警告が発せられ、スタッフの携帯電話に緊急メールが発信される。

 同施設は今年、オープン2年目。本州方面からのツアー客や十勝管内外からのリピーターも増えてきており、小宮利介・同施設運営担当チーフは「2重、3重の安全対策は講じているが、全ヒグマの位置を把握する精度が一段と上がった。安心してベアウオッチングを楽しんでもらえると思う」と話し、今後の入り込みに期待している。 十勝毎日新聞 2007年6月23日(土)ヒグマの位置ぴたり

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  1. 「ああ気持ちいい」と川の水に浸かるポン
  2. 濡れたまま水も振り払わないで次の遊びを物色するポン
  3. 頭を付き合わせて昼寝するポンとポロ
  4. 眠りこけるポロをヨソに気持ちよさそうに枝の葉を食べるポロ、初夏のこのシーズン木の葉はヒグマにとって消化器系の活性化を促すとともに重要な栄養源だ

 加森観光の「ベア・マウンテン」が施設内のヒグマの位置を把握する無線LANシステムを導入した。勿論こうしたサファリシステムを採用する動物園がここまでの安全管理を法的に強制されているわけでない。そう言う意味では都市部の温泉施設のガス管理システムと同様だが同社は渋谷・松濤シエスパユニマットと違って利益の追求と同時に自然と人間社会の折り合いの付け方についても企業の存続テーマに掲げてそれを実行しその方面の行政と学界に貢献している企業の一つだ。協力管理業者が日立グループである点もユニマットシエスパと同じだが日立にしても客を見るのだろう(笑)。

■日立、加森観光に「日立 AirLocation II」を利用したヒグマの位置管理システムを納入

■ ヒグマ位置管理システム構成図/タグ取り付け写真

 システムの詳細は上掲の日経に記事と日立自身による解説に詳しいのでリンク先を参照して頂きたい。いままで加森観光のヒグマたちは大きなトランシーバーのような無線発信器を首につけていたがコンパクトな本システムの導入でこれでヒグマの肉体的な負担も随分軽減することになる。このシステムの導入はもちろんリンク先の記事のように安全性の向上に貢献するのだがそれ以上にヒグマの行動半径についての貴重かつ詳細なデータをもたらすことになる。加森観光のもう一つのヒグマ飼育と研究の母体施設「登別くま牧場」は一頭当たりの飼育面積の問題でWWFから改善勧告をうけるなど野生動物保護という観点からは問題が合ったのは事実である。しかし今日札幌や知床のヒグマ政策に同「くま牧場」の果たした役割は大きいと言える。

 戦後経済成長の渦中、昭和40年代の北海道開発途上の段階で人間に敵対するとして害獣の烙印を押され国による絶滅政策で個体群の存続すら危ぶまれた時代にヒグマ保護を掲げて国の政策に事実上真っ向から対立してスタートしたのが「登別くま牧場」である。その後欧米の野生と人間の共存政策に先進国を自負する以上追随せざるを得なくなった日本の野生と自然の研究にこの「登別くま牧場」が貢献したことは論を待たない。上流にダムを造りコンクリートで固めて水を濾過した河川を想像力と学識の足りない政治家は自慢し、それを疑うことのない人間は自然の復活などと喜ぶけれども、そういう河川が実はまったく自然保護に役立たないばかりかむしろ生態系破壊の元凶であることが明らかになってきたのも北海道大学による鮭、ヒグマの関係の研究成果に追うところが多い。そう言う中で北米と北大の野生ヒグマ研究とリンクしながら「くま牧場」の飼育されているがゆえにより詳細に行われるヒグマ研究の成果が野生のヒグマ行動学に肉付きを与えこんにち残念ながら国の支援を受けているとは言い難い(これでも日本は本当に先進国か?)北海道、特にヒグマと人間の共存を目指す道央と道北のヒグマ政策に大いに貢献しているのである。

 まぁ、過去の事例と事故を経験しているにもかかわらず温泉とともに上昇してくる個性もクセも気分も持たない一律の管理さえすれば安全なメタンガスについて法制化すらしてこなかった日本政府に個性とクセと気分が大いに行動に関係してくるヒグマの管理など求めるのは無理なことなのかもしれないけどね。後進国と呼ぶべきか発展途上国と呼ぶべきか、文明ばかりで文化の発展にリーダーシップを取れそうもない政府を持つ国はやっぱり後進国と呼ぶに相応しいが国のリーダーシップがないぶん民間の文化に対する意識の格差が激しくて付き合う相手によって生命の安全が全く違うのが情けないね。