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出張の伴侶 Leica DIGILUX 2

Leica DIGILUX 2 とともに

 仕事柄なにかと出張が多い。こう言うときは仕事のための資料やノートパソコンなど荷物が多くなるのでペンタックスの一眼レフシステムは残念ながら持っていく事が出来ない。伴侶になるのはポケットにも入る Leica D-LUX2 ともう一台予約した K10D グランプリモデルをキャンセルして同じくらいの価格で手に入れた Leica DIGILUX 2 である。このカメラ、発売当時は20万円弱となかなか良い値段だったがフォーサーズのレンズ交換式の一眼レフ、ライカDシステムとして DIGILUX 3 に進化してくれたおかげで随分価格がこなれて12万前後になった。

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 M型ライカを彷彿とさせるライカCMと共通のトレンドデザインを与えられたこのカメラは実際とても使いやすいカメラである。撮像素子はアメリカの写真家やジャーナリストで構成されるDIMA主催の画質比較テストの1,300~1,799ドル部門で、4/3型CCD搭載機「オリンパス E-1」を破ってトップに選ばれた2/3インチの500万画素CCDで1000万画素時代に実にスローライフな感じで嬉しい。操作系もライカのこだわりが感じられて例えば例えば絞りリングをA位置にセットしてあとはダイヤルで操作するペンタックスより絞りリングそのものをクリック感を感じながらダイレクトに廻す DIGILUX 2 のほうが僕は好みである。勿論ペンタックスでもそういう操作も可能(実際K10DでもMFのA★135mmなどを使うときはA位置を使わずに絞りリングを廻した方が気持ちよく写真が撮れるようになった - 笑 -)なのだがそれだと絞り情報が exif に記録されないしファインダーの中の絞りは -- が表示されてしまうがこちらは絞りリングの操作値がファインダー内にも表示され exif にも記録される。

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 通常のデジタルカメラのダイヤルは DIGILUX 2 ではシャッター速度切換ダイヤルになっている。レンズは10群13枚で構成される光学3倍ズームのDC VARIO-SUMMICRON 28~90mm(35mmフィルム換算) f/2.0-2.4 というコンデジでは勿論のこと眼デジですらキットレンズでは到底実現できない途方もなく明るいレンズが組み込まれているのでワイド寄りでもボケを活かした撮影が可能で絞りをセットしてシャッター速度オートで一枚撮ってみて切れたシャッター速度を参考にダイヤルを手動でセットすれば好みの露出値が得られるので実に便利である。写真はフレームばかりでなく明暗のトーンも撮影者が心の中でイメージしたように撮るのが基本だと思うので露出がコントロールしやすい操作系と少なくとf2.8を下回る大口径広角レンズの組み合わせというのは重要なポイントだ。

 使い出した頃は絞り優先のシャッター速度オートで撮って結果を見て露出補正を掛けていたがなれてみればなーに露出補正なんて必要ない(露出補正のかけ方もK10D同等に使いやすいし素早くアプローチできるが)。シャッター速度を弄れば済むのである。もう一つ秀逸だと思うのが内蔵ストロボ、Z型にポップアップするのだがポップアップさせたあと一回押し込むと45度に上方を照射するバウンズ撮影も出来る。残念ながら縦位置撮影には使えないがそれでも国産一眼レフには無い機能である。製造は松下だがモジュールデザインはべルリンのデザイナー、アヒム・ハイネ教授により操作系や気合いの入ったレンズなど写真を知り尽くしたライカならではのものだと思う。一見レンジファインダー風に見えるファインダーは235,000画素のEVFで本家レンジファインダーのようにレンズの撮影領域を上回る視野を持つわけではなく視野率は100%で一眼レフをやや上回る程度なので一眼になれた僕には別段問題はない。が HCB やロバート・キャパ木村伊兵衛など、優れたフレーミングをなしえた巨匠の仕事に撮影領域を上回る視野を提供して瞬間のフレーミング作りに大いに寄与したライカレンジファインダーを思えば少し残念ではあるけれどそれならMシステムに行くしかない(笑)。

 クラシックで適度な大きさを持つこのカメラは被写人物にも威圧感を与えない。スナップ撮影ではこれは重要なことだ。だから気軽に自分のイメージでどんどん写真を撮ることも出来るので出張で出かける街を歩くのがとても楽しい。木村伊兵衛によればライカは首からぶら下げては野暮なのだそうだ。だから僕はM6用のゴム製の滑り止めのついたいかにも古めかしいストラップをつけて肩に掛けて歩くことにしている。レンズキャップもつけずニコンのウレタンゴム製のキャップを携帯電話ようのビニールバンドで本体に括りつけて使っている。これは手製のキャップをゴムバンドでM3の本体にくくりつけこれと思ったら直ぐに撮影が出来ようにしていたと木村が言うHCBのやりかたを真似た。予定の仕事をこなして、こちらはあまり楽しいものではないが先方の善意を無にするわけにも行かぬのでおきまりのお付き合いを済ませたあと一人静かにホテルに帰る。まったく退屈しない。出張もまた小さな非日常である。