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ミシュラン東京版 フランス料理が王座を降りた日

Culture 社会

猿芝居に思えてしまうミシュラントウキョウ版投入のタイミング 

f:id:lovelovebear:20071129153844j:image:right:h340 ミシュラン東京版がとうとう発売された。我らがアサヒは「タイヤよりも本、パリ本社の本音」と異郷の地トウキョウでのミシュランの船出を祝福した。アサヒにしては出来たなかなかよい見だしだと思ったね。フランスには公正で厳粛な料理ジャーナリズムがあると一部の人々にはまるで夢を見るように料理ジャーナリズムの頂点で有り続けそう語られて来たミシュランはこれで夢から現実のタダのガイドブックになったわけである。実際のところ例えばここ数年のタイヤ市場のシェアだのミシュランの売り上げ推移や利益推移、あるいは企業としての戦略をちゃんと検討してみなければアサヒの祝福が的をえているのかはわからないがそんなことには興味はないのでどうでも良い。

 しかし今やメディアと消費者は双方向コミュニケーションの時代に移りつつあり、なんで今時一方通行の権威主義ミシュランなのかは不思議でしょうがないが、企業であるミシュランが双方向コミュニケーションの時代と市場に単なる問題提起のために出版するとは考えられないからそれなりの勝算あってトウキョウのグルメガイド市場にうってでるのではあろうと思う。しかし公明正大、調査の基準は絶対秘密のミシュランが日本料理店に三つ星店4店とはなりふりかまわぬ出血大サービスに見えるんだなこれが。それともパリに比べるとトウキョウのフランス料理はレベルが低くて話にならないということだろうか?まぁフランス側としてそう言いたいのもわからなくはないほど不味い独りよがりなフランス料理がトウキョウに溢れているのはあなたがどう思うかは知らないが僕は事実だと思う。

 ただ一つだけ気になることがあるんだな、これが。フランス人はフランス料理が世界最高の料理だと自負してきた。世界中の人々はフランス美食術の前に傅くのだと。まぁほとんど冗談のような異文化を無視した中華思想なのだがミシュランも例外でなくイタリアやニューヨークに進出したときも現地の料理店には三つ星を与えなかった。イタリア進出当時ミラノで最高のレストランと言われたマルケッシュにすら二つ星しか与えなかったのだ。その同じガイドブックがトウキョウでいきなり日本料理店4店に最高峰の三つ星ですぜ。フランス人はとうとうフランス料理なんかどうでもよくなちゃったのかい?それとも客がタクシー利用で帰るような店を推薦してタクシー会社にミシュランタイヤの売り込みか(笑)まぁ記念すべきミシュラントウキョウ版発売の日はフランス料理が世界の料理の王座を放棄して自ら転げ落ちた記念すべき日、フランスの中華思想放棄の日となれば歴史に刻まれることにはなるな。

 ところでジャーナリズムのミシュランに対する評価はおおむね良いようだ。今回のミシュランデビューはトウキョウだけでなく世界のジャーナリズムから注目された。そうなると疑い深い僕は勘ぐってしまう。ミシュラントウキョウ版は双方向コミュニケーションに足下を脅かされているジャーナリズムが一方通行権威主義ジャーナリズムの雄であるミシュランを担ぎ出して専門家による一方通行のジャーナリズムを鼓舞し、双方向コミュニケーションに打撃を与えるべく打った猿芝居なのではないかと・・・・そうだとしたらこの騒ぎに振り回された料理界の人々はあまりに気の毒である。テレビを見ていたら三つ星をとれなかったレストランひらまつの平松さんが引きつった顔で「これがミシュランだよ、これがミシュラン。」と言い放ってその場を立ち去ったのが印象的だった。

MICHELIN GUIDE東京 2008 (2008)

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