エノスパ…光と灯りの競演
光と灯りの狭間で
K10D + smc-PENTAX FA☆24mm F2.0 f/5.6 1/15sec. ISO400
エノスパは夕暮れからよるに掛けて極彩色の炎とイルミネーションや外灯に彩られてとても美しい光の饗宴が見られる。基本的にはカラーで撮るのが楽しいし美しいと思う。ところが夕方から闇にかけてモノクロームが圧倒的に美しく感じるほんのわずかな一瞬がある。それは夕空と建物の露出がピッタリ合う瞬間だ。まもなく陽が落ちてしまう直前、AE カメラで絞りを f/5.6 か f8.0 にして空と建物のそれぞれ双方に向けてAFボタンを押したとき(大概の場合はシャッター半押しだが僕は K10D ではAFボタンを使っている)に表示されるシャッタースピードが共に 1/6sec. とか 1/8sec になる一瞬だ。
その時を狙ってさらにシャッターを2段ほど速くして撮影する。暗い画面の中にもしっかりしたトーンがあって決して潰れていない状態。そんな写真が撮れたら成功である。まえは自分がこんな撮り方をするようになるとは夢にも思わなかった。そう、松田 敏美 さんの写真集 Between the Lights を見るまでは。すっごく刺激されて暮れゆく闇と光のトーンを身体で身につけようととりあえず処理が速いデジカメ K10D でいまその訓練をしている。幸いなことにデジカメは明るい空には滅法弱いが暗いところは結構潰れずに階調が出る。
レンズはズミクロン 35mm をイメージして近い画角が得られる FA☆24mm F2.0。このレンズは FA☆85mm F1.4 と並んでペンタックスレンズの中では特に気に入っているレンズだ。昨日のエノスパのデッキのカップルも FA☆24mm で同じような撮り方をしている。しかしちょっと画角が狭いかな。おそらくズミクロン 35mm よりもほんのわずか狭いだろうし闇や光をもっと広い絵の中に配置してみたいと思う。だいぶん自分のイメージ通りの絵になってきているのでこれからはいよいよライカを出動させよう。レンズはもちろんエルマリート 28mm だ。
実際この程度まで暗い写真を銀塩で撮って同時プリントを頼むと悲しいくらいに黒いところが潰れている。しかしネガをちゃんと確認すれば驚くほど潰れずに階調は残っているものなのだ。なるほど銀塩フィルムのラチチュードには感心するしこの条件でライカなら F/8.0 か f/11.0 まで絞って建物の外壁をもっと質感よく描写できる。そのネガをフィルムスキャナでスキャンする。そしてとりあえずそのままプリントしてみる。そのプリントを元に覆い焼きする部分、焼き込む部分を決めてフォトショップで作業するのだ。今回のこの写真はイメージよりやや明るかったので絞り2段分くらい焼き込んでいる。左上の大きな外灯だけ覆い焼きした。松田さんには及ぶべくもないがデジタルと銀塩を有機的に繋ぎながら自分なりに写真を楽しむ。これでいいのだ(笑)
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