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映画 earth 見てきました

Cinema アート

エコだなんてのんびりしてるほど楽観的ではないけどな

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 夕方から CITTA で昨日封切りの映画「earth」を見てきた。BBCNHKの共同製作「プラネットアース」のクライマックス部分の再編集とあと新規の撮り下ろしもあるのかな?家でじっくり見るなら全11回で24時間に及ぶ「プラネットアース」で大スクリーンの迫力と100分に効率よくまとめられたドキュメンタリーを見るならこちらの「earth」ですかね。子供づれの方も多くいらしたけど子供にいまの地球の事態を見せるならこちらのほうが飽きないし分かりやすいかも知れない。

 「プラネットアース」の画像は Mapcamera の一号館6Fに行くといつも流されていてその美しい映像にため息が出るほどだが、映画館の大スクリーンで見ると地球の美しさに改めて感動する。人間からの視点にで言う弱肉強食のシーンも残酷で(動物には弱肉強食が残酷だという概念はない)迫力ものだが(*1)、ライオンでもヒョウでもクマでも獲物はその対象となる動物の子供を狙うところまで表現されているのは子供の教育にとってとても好ましいことだと思う。子供は弱いから狙われるのだがそれが自然界ではあたりまえであることをはっきり子供に教えるべきだと考える。そして願わくは人間は言語を発明して論理でものを考えるようになって始めて、論理的であるがゆえに起こる倫理的要請から弱いもの守るという道徳が出て来る、その道徳を守る大切さ、倫理的要請の大切さを映画を通して親が子供達に是非教えてあげて欲しいものだと思う。

 いまのまま温暖化が続けば冬眠後に餌のアザラシを捕獲できなくなるシロクマは2030年までに絶滅してしまうというナレーションは衝撃的ではあるが、アフリカの雨期に洪水で水に溢れる大地を恐る恐る歩いて避難をする猿の映像こそ、温暖化で水没する都市の人間の姿そのままのように僕には見えた。動物の子供が他の動物の餌になっていく姿や、自然の猛威の前に死を迎えるのみの動物の映像は地球の美しい姿として多少の感慨を持ちながら見つめ受け入れることが出来るのに、台風や地震の前に人々があらがうことも出来ずに死んでいくシーンを地球の美しい姿として受け入れることが出来ない人間の自分勝手さを改めて思う。

 ひょっとすると地球はなにも人間如きの勝手な技術開発と自然破壊などなくても絶えず変化を続けて生態系を作り替えているのかも知れない。だとすれば人間の手で美しい地球を守ろうなどという標語は恥知らずの思い上がった傲慢さ以外のなにものでもないのかもしれないが、少なくとも倫理を身につけた人間としては自然を守るためになにかさせていただくという謙虚な問題意識は必要だろう。かつて増えすぎたヒグマ同志の争いに新天地を求めて北へ移動したのがリスクテイカー遺伝子(*2)に突き動かされたシロクマの祖先たるヒグマのグループだった。わたしたち人間もそのリスクテイクを選択する遺伝子を「自然を守るためになにかさせていただく」という方向に働かせることが出来れば予定よりは地球と長くつきあえることになるのではなかろうか。

 地球が無くなるときがくればそれはわたしたちの記憶も、大切にしていた思いでのある物質的なものも、すべて無限の宇宙に放り出されて何一つあとかたもなくいまのここから消え失せてしまう。すくなくともわたしたちの意識上のものはなにも無くなってしまうのだ。しかしそれは決して遠い夢物語でなくわたしたちが道を誤れば間違いなくやってくる。もし別の意識のある生命体がその映像を見れば、宇宙と自然の道理にかなったなんと美しい映像だろうかと感慨にふけることは請け合いだ。


♪BGM while writing

テチャリ・ライヴ(DVD付)

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プラネットアース dvd box 2 episode 5~episode 7

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プラネットアース DVD-BOX3

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*1:この映画の良いところはむやみに血を見せないこと。例えば豹が逃げる子鹿を追い込んで子鹿の喉をかききるシーンは直前で映像を終えてしまう。それでも弱い子供が強い別の動物の成獣に喰われるという弱肉強食の事実だけは十二分に表現されている。

*2:リスクテイカー遺伝子についてはLife is beautiful: 「リスク・テーカー遺伝子」の歴史を参照していただきたい。人間や動物の根本的な生存欲、つまり多少の危険を犯しても新天地を求めるようなDNAをこういうかたちに喩えるのはユニークな視点だと思う。