KumarinX Kaneko Ryogen Jean Michel Kaneko Photography MacOSX
読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はてなとアメブロ、愛される会社とダメな会社

Blog

まるでアップルとマイクロソフトみたいだ

The florist on St Valentine’s Day

The florist on St Valentine's Day : M6 + TELE-ELMARIT 90mm F2.8 1/30sec. f2.8 ILFORD XP2 Super400

  • ヴァレンタインデー前日の花屋の店先。女性たちが次々とブーケを買っていった。チョコレートだけではなくブーケも送られた人はきっと本当に愛されているんだと思う。このエントリのはてなやアップルのように。

 あわせて読みたいに紹介された『群馬県のホームページ制作会社ライフコーポレーション社長のブログ』に『アメブロは無くなるのか』という記事があってなるほどと思った。僕の友人にも何人かアメブロでブログを書いている人がいて僕もこの記事と同じ経験をしたからである。

今日の日経朝刊でアメブロ(アメーバーブログ)を運営するサイバーエージェントに関する記事がありました。

黒字化できないアメブロ事業の先行きが怪しいようです。

「正念場のブログ収益化」

ブログの月間閲覧数は昨年12月に25億を突破し、今年3月にも30億の目標達成を見込む。

もっとも、他の有力媒体と比較すると、見劣りするのは否めない。

ミクシィの月間閲覧数は約123億、ディー・エヌ・エーモバゲータウンは約149億。野村證券金融経済研究所の西川拓アナリストは「サイバーの閲覧件数はミクシィの2年前の水準に過ぎない」と手厳しい。


事業継続の判断期限

今期のブログ事業の営業損益はPR費用などが重荷となり、前期並みの17億円の赤字となる見通し。

藤田社長は昨年からブログ事業を直轄し、事業継続の判断期限を09年9月と定めた。

2008年1月24日の日経新聞朝刊から

一昨年(でしたかね?)のブログURLの変更には驚きましたが、特に昨年行われたRSSフィードのURL変更は驚愕しました。


私のRSSリーダーに登録しているアメブロユーザーさんのブログが、ある日突然表示されなくなったのです。


訳のわからないメッセージとともに、「フィードのURLが変更になった」と・・・。

『アメブロは無くなるのか?』より

 この時は本当に驚いた。僕のRSSリーダーからも突然何人もの友人のブログが消えた。彼らはミクシの日記にもアメブロを使っていたからマイミクの日記更新からも消え去ってしまったのである。不思議なことはこの事態にアメブロのユーザーさん達が騒がなかったことだ。なにか冷淡にことの推移を見つめていたように見受けられる。これがはてなだったら批判と擁護の二手に分かれて議論になって互いにブックマークの付け合いなっていたことだろう。なぜアメブロのユーザーさん達は冷静だったのだろうかと思ったら『アメブロは無くなるのか?』にこんなコメントが付いていた。

最近のアメブロは、多機能すぎて、まったく使う気になれないです。

携帯電話と一緒で、どれだけ多機能になっても、結局使う機能ってごく一部なんですよね~。それと同じような気がします。『アメブロは無くなるのか?』コメント欄より

 このコメントで思い出した記事がある。

こういった罠にハマらないためには、色々とすべきこと・してはいけないことがあるが、たぶん最も強く意識すべきは「合議制では良いものは作れない」という法則。デザインに関わる人が多ければ多いほど、「いろいろな意見」が寄せられてしまい、「せっかく有意義な意見を出してもらったのだから」と次々に意見を取り入れているうちに、機能だけはたくさんあるけど魂が無くて妙に使いにくいものが出来てしまう。


~中略~


日本のメーカーにiPhoneのような思い切って機能を削ったデバイスが作りにくい一番の理由は、まさにここにあると思う。『Life is beautiful: Less is more なもの作りと合議制と』より

 アメブロを運営するサイバーエージェントという会社は結局誰も責任を取ろうとせず合議制を隠れ蓑にして自分の責任を回避するという日本大企業の悪しきループを抜けることが出来ないのだろう。日本のメーカーに iPhoneiPod iMac MacBookAir が作れない様にアメブロにはユーザーの賛否を呼ぶはてなのようなサービスは出来ないのだ。

 近藤社長の帰国と本社京都移転を巡ってここのところのはてなダイアリーは賑やかだ。これは近藤社長の既定の方針だと数年前の近藤さんの本を持ち出して擁護する意見から、方針転換こそはてなの原動力といった意見、そして梅田望夫さんに持ち上げられてなんのポリシーも持たない近藤社長は無能だといった手厳しい意見まではてなダイアリーは百花繚乱である。

 こんな様子を見てかつて迷走するアップルを巡って同じように賛否両論の議論で溢れたニフティーやアメリカのアップル系BBSを思い出す。じり貧だったアップルはそれでも倒産や買収を免れていまや再び強い企業へと変身を遂げた。これには独特のアイディアとデザインセンスと米軍の品質管理手法の導入等でリーダーシップを発揮したジョブスCEOの功績は勿論大きいが、賛否両論の議論を戦わせたアップルのファンたちがそれでもアップルを買い支え続けたのも貢献しているんだと思う。かつてはマッキントッシュ・エヴァンリストと言われた人たちの存在も大きい。

 王座に上り詰めたマイクロソフトのユーザーがマイクロソフトをそれほど愛することはないがジリ貧でもアップルの製品はファンに愛されるのは何故だろう。それはアップルの製品にはソウルがあるからだ、とは先の元マイクロソフトのエクスクルーシブなエンジニア『Life is beautiful』の Satoshi Nakajima さんの言葉だ。はてなについての議論を見ていると、きっとはてなにははてなを愛するファンが沢山いるのだと感じる。良いに付け悪いに付けはてなには近藤さんのソウルが溢れいるのだと思う。ユーザーはそれが気になって仕方がないのだ。

 アメブロのユーザーはアメブロをとりたてて愛しているということはないのだろう。何かの都合や縁でたまたまアメブロだったのではないか。しかしはてなはそうではない。はてなのユーザーは数あるサービスの中からはてなを選択した人が多いのではないか。だからはてなを巡って議論が涌き起こるのである。擁護する人も褒める人も、そして痛烈に批判する人もはてなを愛しているんだよ。近藤さんもはてなも愛されているんだとふと思った。

♪BGM while writing