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犬には人間しかいないのに

Blog 社会

子犬は君を襲ったり殺したりはしないんだがなぁ

Sign of Vineyard Sign of Vineyard :
  M6 + ELMARIT 28mm F2.8 (2nd)
  1/30sec f/11.0
  ILFORD XP2 Super400
  • 広大なワイン畑の前に始めて立つ人はどこへ行って良いかも分からない。そのためにこんなサインがある。人間が自分の経験したことのない世界に踏み出すとき、どう進んだら良いかを示すのが先人達の智恵であり社会のルールである。犬は出会った人間を信じるしか生きる術がないということをこの米兵にサインとして送ってくれる人が、きっと彼の経験的世界には居なかったのだろうなぁ。彼の行為の愚かさも、そして彼の経験的世界の狭さを悲しいことだと思う

Sign of Vineyard : M6 + ELMARIT 28mm F2.8 (2nd) 1/30sec f/11.0 ILFORD XP2 Super400

「あまりに残酷」と批判されているのは、米国の兵士と思われる人物が、同僚と思われる兵士と遊び感覚で子犬を崖に"放り投げる"映像。

子犬を手でつかみ、「puppy(子犬)、puppy」などと言いながら、鼻歌まじりで力いっぱい子犬を崖に投げる。子犬は「キャンキャン」と悲しそうな声を出しながら崖下に消えていく。マイコミジャーナル:YouTubeに「子犬を崖に投げ殺す」米兵らしき映像より

 戦争はこうまで人間の感覚を麻痺させてしまうのかね。いつ敵が現れて自分が殺されてしまうかも知れないという死と隣り合わせの時間がこの米兵にどれだけ苦痛を与えているかは計り知れない。戦場から帰還した兵士の心的損傷は米国でも問題になっている。おそらく米兵には国際法に従い戦場で殺してよい相手については徹底的に教育されているはずだ。それでも戦争は人を異常なものに変えてしまうのか?それともこの兵士が無知でおろかなだけなのか?ただねぇ、子犬は君を襲ったり殺したりはしないんだがなぁ。戦場で子犬と出会って一瞬でも癒される兵士だっていることを信じたい。

 話は変わるが僕の友人の犬、フラットコーテッド・レトリバーという犬だがまだ若いにのに癌が発見された。急に衰弱を始めていつ死んでしまうか分からない状態だ。その事実を知ったとき彼女は泣いた。彼女の夫は昨年脳梗塞で倒れた。そしていまリハビリ中である。彼女はこの半年以上を夫の看病のために捧げてきたが、そのあいだこの犬クンは彼女の支えにもなってきた。夫はだいぶリハビリが進んでお酒が飲めるようになった時取り囲んだ友人達に言った。

「なにが不安だったかって、僕がこんなになってしまたっから女房がいつ離婚届を持ってくるかってのが気が気じゃなかったよ。」

 勿論彼女はそんなことは考えもせずに夫に尽くしてきた。犬を飼う人は基本的には12~3年で犬が死んでしまいその別れの辛さを覚悟している。だからといって気丈で居られるわけではない。悲しいことは悲しく辛いときは辛い。それでも人間は悲しみ、泣けば済む。そしてその後の時間がゆっくりと心を回復してくれる。いつか犬との生活が心を満たす思い出に変わる。犬を飼うということはそういうことなのだ。だから今度は彼女は泣きながらでも感謝の気持ちを持ちながら恩返しのようにその犬をきちんと看取るまで最後まで尽くすだろう。彼女はそういう人だ。

 人間は泣けば済むが犬は最後まで面倒を見なければ生きていくことすら出来ないのだ。仮に彼女の夫だって離婚されてしまったとしても生きて行くことは出来る。しかし犬には人間しかいない。飼ってくれたあなたしかいないのだ。犬とはそういう動物だ。出会った人間を信じるしか生きる術がないのだ。子犬を投げ殺した米兵がこのことを知っていれば彼はあんなことはしなかっただろう。そうか、やはりあの行為は戦争のせいばかりではなさそうだ。彼が愚かで無知だったということだ。

♪BGM while writing

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