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祈りの鐘

自転車 Culture

自らの力が及ばないとき人は祈る

祈りの鐘

祈りの鐘 :
  M6 + TELE-ELMARIT 90mm F2.8 1/60sec. f/11.0 Kodak BW400CN

  • チベットで起きていること。歴史にもしは禁句なのだが、あえてその「もし」を用い、もし中国が共産党独裁国家でなく、もしチベットで血が流されることなく、単に漢民族チベット族の文化と歴史が飲み込まれている現象だとしたら、チベットの悲鳴を僕ら日本人はちゃんと聞くことが出来たのだろうか?西洋文明に文化も歴史も飲み込まれてしまっても諸手を挙げて歓迎した僕ら日本人に。遥か雪山の麓のチベットで興っていることの詳細はそんなことかも知れない。しかし現実には共産党による虐殺が行われ血が流されている。無念ながら僕らの力は及ばない。でも意志を表明することは出来るし、チベットに平穏が訪れることを祈ることは出来る。自らの力が及ばないとき人は祈る。そしてお釈迦様の前のこの鐘は祈りを表明する音色を奏でる。

 朝から雨で自転車通勤はスルー。午後から晴れ渡ったので帰りに町田でスポーツクラブに寄り道するか帰って自転車に乗るかと考えながらふらっと寄った本屋で立ち読みした finride になんと家の近所のショップが乗っていたので探しに行ってみることに(笑)ビルの奥まった1階にあり通り過ぎること2度、やっと見つけました。

 お店は bike room sin 。オーナーと奥様二人で運営のアットホームなショップ。うちからは2kmちょっとなのでなんかあれば気楽に寄れます。ペダルやハンドル、カセットやシューズまで良い感じで揃ってました。慣れてくればうちの TREK 7.6FX ももう少しグレードの高いカセットやペダルも欲しくなるでしょう。そしてうちの奥さんもバイクを欲しいと言い出したのですがこういうショップでアドバイスを受けながら買うのも良いと思いました。なんせ近いですから。

 お近づきのしるしにパッド入りアンダーパンツとちょいと止めての買い物用にヘルメットをくくりつけるカギを買ってきました。その後はぐるっと東名川崎インターのほうをまわって途中スーパーでおでんの材料を買い出しして約15km、暗い夜道なのでスピードを出すことより軽いギアでペダルを回転させることに重点を置いてののライドで帰宅。

 一日一チベットリンク、今日は早稲田大学の石濱由美子先生のブログを紹介します。今の中国はチベットは中国のおかげで豊かになったなどと嘯いていますがこんなデタラメの話はないでしょう。中国の言う豊かさとは物質文明のことなのです。しかしチベットには世界の仏教の中でも際立ったインドのナーガルジュナの思想を受け継いだ中観派の僧達を頂点としながら無常の縁起の法を観想してきた長い歴史があります。衣食住とも必要最低限で事足りてしまう豊かな文化があるのです。

 中国がチベットに与えたという豊かさは漢民族の大量移住と物質文明によるチベット文化の破壊でしかありません。愚かなことに僕も健康体だった数年前はグルメについてのエントリを書き、いつ貧しくなってもそれを素直に受け入れグルメな食物に執着しなければ良いのだなどと分かったようなことを言っていました。まさしく健康であることの傲慢さと奢りですね。人間は必要最低限、この世に生を受けた身体を維持していくだけの食物だけ取れば良い。そういう食事を心がけることで廻りに食物があるというだけで感謝の気持ちが起きてくるんです。

 有る意味グルメってセックス(生殖ではない)と似ています。自分の経験的世界に固執してあれもいい、これもいいと妄想する。無節操なセックスは廻りの人間関係を壊しますがグルメは身体を破壊する。愚かな人間だけの特権であり罪でもある。大都市に乱立する飲食店の殆どが本来愛でるべき謙虚な日本の食文化を破壊しました。だから日本は今、生活習慣病とメタボが溢れています。僕が数年前に発言していた食文化のことは中国の他文化破壊と同罪ですね。ここで明らかに自己批判を表明しておかなければなりません。

 だけどちょっと安心する面もあるんです。休日のサイクリングロードやバイクショップで出会う人たち。彼らは(僕も含めてかも知れませんが)おそらく自転車に興味のない人には信じられないような値段の自転車を買い、20万円を少しでも下回って、性能の良いのが出て来ればお買い得だなんて喜んでいます。しかしフォアグラがどうの、ラフィットが、ロマネ・コンティがどうの言うよりはずっと健全ですね。彼らは満員電車やクルマの渋滞が嫌で数キロから20キロ近くまで自転車で通勤しています。そのおかげで外食しなくなった、同僚と酒を飲まなくなったと言うんですね。

 自転車に乗るということで自己管理するようになる。だから余計なものは食べない、飲まない。自分のコンディションを快適に維持する食物を選ぶようになる。僕も今は大分痩せていますが、みんなメタボや生活習慣病とは無縁です。それに自動車に乗る頻度が減っているから排気ガスも出さない。こういう輪も広がっていけば良いと思います。今までは豊かな生活とは良いクルマに乗り美味しいものを食べるということだったのですがそれが単に経済だけの都合だ、ばかばかしいことだと分かって来た人が増えてきた。だからクルマやグルメではなく自分の充実の為にお金を回すようになるんです。

 実はチベットの人たちはこんなこと、とうの昔っから知っているし実行していたんですね。日本だって昔はそうだった。仏教伝来以来殺生はいけないという道徳とともに肉は基本的には食べなかった。それがペリーが浦賀に来て大砲を鳴らしたものだからこれからは文明だ文明だ、西洋に学べと肉食や重工業を取り入れた。そして戦争して負けて、その時のひもじさのトラウマと戦勝国アメリカの生活を見せつけられて、豊かな生活とは良いクルマと美味しい食べ物をたっぷり食べることだと親子代々勘違いしながら、こんどはワインだ、トリュフだ、フォアグラだと食べ漁って謙虚な日本文化もぶち壊してしまった。ほとんどバカですね(笑)

 中国はこういうことを軍事力を背景にやっているのですからもっと非道い。遠い、遥かな雪山に抱かれたチベットに僕らの力は届かないかも知れません。でもせめて想い、意志を表明することは出来る。今日ご紹介する石濱先生のサイトは漢民族に文化も歴史も飲み込まれて行こうとするチベットの悲鳴が綴られています。でもな、クルマだ、ワインだ、フォアグラだと西欧の文化に日本の文化が飲み込まれていくのを、悲鳴も上げずに歓迎した日本人には、もし血さえ流されなかったら、あるいは中国が共産国でなかったとしたら、チベットの悲鳴を理解できなかったのではないかと思うとちょっと恐ろしい気がします。

 ■一日一チベットリンクチベット争乱「統合される側」の悲鳴

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