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わたしも写真が好きなんです

写真お好きなんですねの次ぎにくることば

夕陽を浴びるモノレール

夕陽を浴びるモノレール:M6 + ELMARIT 135mm F2.8(2nd) 1/250sec. f/8.0 + 1/2 Kodack BW400CN

  • 『工場萌え』の帰り道、小島新田あたりで撮った一枚。コントロールタワーに映える夕陽と薄暗くなってきた廻りの風景 のコントラストが面白かったのでモノレールの車両もきっと夕陽に映えるだろうと思い、待って撮った一枚。写真に人物を入れないなら時間や空気が伝わるような写真を撮りたい。目の前に広がる風景の見え方は僕一人だけの経験的世界の裏返しでもある。それが見る人に伝わったら…。

 最近よく「写真お好きなんですね」と言葉をかけられる。そしてその次ぎにお決まりで出て来る言葉が「実はわたしも好きなんです」という言葉。そしてさらに追い打ちをかけるように「わたしの写真見て下さい」。まぁそえはそれでいい。同好の志を求めて人が行動することになんの文句もない。ところで「声」とせずに「言葉」としたのは意味がある。実生活で声をかけられるばかりでなく突然メールを戴いたりミクシのメッセージだったりする。しかも決して記事に対するコメントではないことが共通している。そもそも僕は見知らぬ人からの突然のメール、しかもかなり私的なメールをあまり歓迎する方ではない。だってそうでしょ!「わたし」も写真をネットで公開しているんだったら似たようなエントリーへのコメントで充分じゃん。

 まぁ、歓迎する方ではないと言っても返事をしたためるのは話しかけられた方のすべき義務ではあろうし、礼儀だとも思うし、個人的にはあなたが採用された行動を僕があまり快く思っていないことを伝えたいというのもあるから丁寧に返事を書くことになるが、返事を書くためにはそのかたの写真を拝見しておいた方が良いに決まっているので「はてなフォトライフ」なり「ミクシアルバム」なりを見にいくことになる。そこでこころを揺さぶるような写真に出会えれば嬉しくもあり驚きもアリだが大方僕が居眠りでもしながら最後までなんとか見ることになるのは、外国も含めて名所旧跡や雄大な風景の中で、その構図の中央に移っているおばちゃんか相方であろうおっちゃんの写真である(笑)そして料理撮影モードに頼り切ったその地の食べ物。

水と光のオブジェ

水と光のオブジェ:M6 + TELE-ELMARIT 90mm F2.8(2nd) 1/1000sec. f/16.0 DNP CENTURIA200

  • こちらはたまに行くスポーツクラブへの道の途中にある公園の池のオブジェ。この公園も人間模様もあって楽しい(以前の例では『2007.11.14 Souvenirs 消せない記憶』)のでちょっと遠回りになるが往復この中を通ることにしている。鬱蒼とした林の斜面に囲まれて盆地状のロケーションが時たま美しい逆光に彩られた風景を醸し出す。池の中に立つ桶を乗せたようなシーソー状のオブジェが運動ごとに水を撒くのでその撒かれる水を逆光で撮ってみた。

 いったいこのような写真を延々と見せられて一体なんと言葉を発せればいいのか。どんな褒め言葉と次ぎに続けるこのかたの行動へのやんわり批判を数ある言葉の中から採用するべきか?人混みを前にして向かうべき方向を見失った老人のように僕は失語症に陥って絶句する。たしかに写真の色合いは驚くほど美しい。逆光にもかかわらず人の顔はノイズが散りながらも電子的に明るくなっているし、まるでPLフィルターを適切に使ったように緑や青は美しくしかも反射光などのノイズがない。空はNDフィルターの達人よろしく青く済んでいる。そして手ぶれも無く、ピントは奥の奥までパンフォーカスとはこのことなり!と叫ぶように合っている。強いて苦笑いせざるを得ないのはどんな入門書でもきっと禁止している日の丸構図が堂々と憚ることなく採用されていることだ。料理写真もせめて皿を構図の段階でトリミングして欲しいことを除けば食べたくなるような美しさである。

 しかしだ!しかし!これらの写真がどんなにきれいで美しくてもなぜか空気も光も無国籍なのだ。インドも栃木もオーストラリアもアルプスも北海道もみんな同じ光と空気なのだ。写っている人がEXIFに刻まれた日付時刻にたしかにこの場所にいたということ以外このこれらの写真群は僕に何も語りかけてはくれはしない。これが「わたしも写真が好き」という人々の撮る写真だろうか。僕のようにヘタクソで失敗してもいい。せめてその場所の光とその場所の空気を撮る努力をしようよ。その写真をいつか自分一人で眺めたとき、その場の状況がありありと思い出せるような情報を写真に詰め込む努力をしようよ。ということで最近僕に冒頭のようなメッセージを下さったかたへの返事に代えます。

では、お幸せでありますように。

一日一チベットリンク「中国アホか!」 →ダライ・ラマ訪問で英非難

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