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多摩川河畔のピロティー住宅

今までの繁栄とはなんだったのだろうか

多摩川河原のピロティー

K10D + SIGMA DC 17-70mm F2.8-4.5 露光時間 1/30 f/4.0 45mm 手動露出 ISO100

 先週に多摩サイを丸子橋方面へ走ったら宮内の等々力グラウンド付近にホームレスの小屋がぐっと増えたと書いた。今週は久地梅林公園で梅の花の撮影をしてから逆に二子から北へと向かったが宿河原の手前にもまたまたホームレスの小屋(?)が建っていた。なんとピロティー形式である。こんなのは始めて見た、と笑い事ではないのだが……。建築の知識がある方なんでしょうねぇ。どんなに知識を持っていても、あるいは能力を持っていても仕事がないんじゃどうしようもない。ひょっとしたらこのピロティー住宅の主は途轍もなく低いコストで住宅を造れる人かも知れない。彼がやめなければ会社はもっと発展したかもしれないのだがそれはまた別の話で、でも仕事がないんじゃしょうがない。こっちは好きなことをやってそこそこ生活していられるのだから有り難いことだが、日本という国はもう少し何とかして貰いたい。ここまで来ると個人の選択肢が間違っていたではすまないように思う。

多摩川河原の小屋

K10D + SIGMA DC 17-70mm F2.8-4.5 露光時間 1/50 f/4.0 45mm 手動露出 ISO100

 ただ日本の産業構造とその中にどっぷり浸かって危機感を感じないで来た我々にも問題はあると思う。なんせ何一つ確定的なものなどない宙ぶらりんな時間をあたかも実態があるが如くに映画のコマを手繰るように過ごしてるのに過ぎないのよ人間は。やってみたところで「自分探し」なんていう無い物ねだりの妄想ばかり(笑)だし。先日某飲み屋で地元の町工場の社長さんと少し話をした。受注が半分以下になったという。海外や日本のメーカーの電子部品を製造している会社なんだが今まで営業なんかしたこともない(親の代から順調に受注があった)から何をどうしたらよいのか分からないと仰る。なんだ、ダメになったときのことを考えていなかったのかと他人事に仕立てるのは簡単だ。しかし景気が良いときは受注をこなすのに精一杯で明日のことを考える余裕などなかったかも知れない。既存の産業構造にドップリだったわけだ。日本企業の世界ブランドに君臨している企業だって世界市場に通用するユニークな製品を創造できる会社は稀だ。アイディアは外国企業から頂戴して、勤勉な国民性を背景に品質管理が勝れた製品を作ってきたのが日本の優良企業なんだから。だからまして日本の政治家が明日の日本を背負える産業をリサーチし、プランを立てて投資をして育成していく気概もアイディアもなかったとしてもモノマネ大国ニッポンとしては仕方がないのかもしれない。

TREK ELITE 9.9 SSL

K10D + SIGMA DC 17-70mm F2.8-4.5 露光時間 1/60 f/3.5 26mm 手動露出 ISO100

 ただ惜しむらくは戦後教育が、国家と産業界の要求や利益にばかり振り回され、利益とは一線を画した教養が実生活に役に立たないからという愚かな理由で、純粋に培養されることを阻んできたことが裾野の広い独創性をこの国にもたらさなかった要因の一つではなかろうかと思えることだ。論文の本数を研究費で割って研究成果のコストを算出し、大学を比較して面白がっているようなマスコミが跋扈する国なのだよ、ここは。先日僕のところへやって来た中小企業のある社長は、自動車産業に関わっているにもかかわらずだよ、こんなことを言った。ちなみに彼は新車・中古車の販売業を営んでいたがクルマの販売を縮小して解体パーツを街の修理工場に卸し売りしたりネットオークションで中古パーツやアクセサリの販売をここ数年始めている。更にガテンで集めた肉体派の若者を組織して建設会社の土方の下請けも始めている。建設業はもう10年前にドン底を経験しており、資格と身元がしっかりしていれば自動車関係のような仕事の落ち込みは無いという。見事な転変ぶり。

  • もういいよ。トヨタがダメになっても税金を投入しないでほしいね。だめなら潰れたっていいし、何万人が路頭に迷ってもいい。
  • もう道路なんか造らなくていい。そんな予算があるなら減税して欲しい。乗用車が売れなくなって流通と仕事用のクルマだけになってくれればもう道路網は充分だ。
  • 駐車違反はもっと取り締まるべきだ。そうすれば余計なクルマが出なくなるし、国民のクルマ離れを後押ししてくれるだろう。
  • そうしてズタズタになってもいいんだ。人間死にはしない。僕らのオヤジたちはあの敗戦のどん底を乗り越えてきたのだから。

そうしたらこんなニュース。

■トヨタ、1月の国内生産40.3%減 輸出が大幅減

トヨタ自動車は25日、1月の国内生産台数が前年同月比40.3%減の20万9224台だったと発表した。国内市場の低迷に加え、輸出が伸び悩んだことが響いた。世界全体での生産台数(グローバル生産)も42.6%減の41万3285台と大幅に減少した。(NIKKEI NET)

 僕は彼のいう意見に結構納得してしまった。「そうしてズタズタになってもいいんだ。人間死にはしない。僕らのオヤジたちはあの敗戦のどん底を乗り越えてきたのだから。」思えば今までの繁栄とはなんだったのだろうか。我々が手にしたと信じていたものを我々は本当に手にしていたのであろうか。それが無かったとして我々にどんな不都合があるのだろう。例えば夢から覚めたら夢の残像が消えゆくように。人生というのは見えよう筈のない遠いことがらが見えもすれば、足下の直近の重大事も見過ごしてしまうものだ。ただ、生き、老いて死んでいく。我々に確実に手に取るように見えるものはただそれだけなのだ。多くを望み豊かさという名称に惑わされてしまったとしても残る事実はただ、生き、老いて死んでいくことなのだ。そしてそれだって幻影かも知れないのに。

『唯識三十頌』を読む (TU選書)

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一日一チベットリンク → チベット仏教の次世代指導者、カルマパ17世が浮上

チベット仏教の最大宗派であるゲルク派のリーダーで、チベット全体の精神的指導者であるダライ・ラマ14世は昨年から公開の場で引退や後継者指名の意向を示してきた。しかし、ダライ・ラマの悩みは、自分の死後に伝統に従って転生者を探し、教育を施した上で、ダライ・ラマ15世を育て上げるとしても20年以上かかる点だ。このため、米週刊誌ニューズウィーク最新号は、その間にチベット仏教指導部の空白を埋め、世代をつなぐ人物として、カルマパ17世が浮上していると報じた。カルマパ17世はダライ・ラマとは別の宗派のカギュー派を率いている。

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