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Leica M9 登場

blog カメラ・機材あれこれ

出ないと思ってたら出ちゃったよ

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 まさかあり得ないと思っていたらでちゃいましたよ、もう胸が高鳴ってドキドキしちゃう。何が良いかってフルサイズ、35mm×24mm の CCD をコダックが開発したこと。巷では昨今これをフルサイズとか言ってますけど、要はライカ判ですね、ライカ判。だからフルサイズ CCD はキャノンやソニー、はてまたサムスンのように新技術で優れた解像力なんて技術目標はどうでもよろしい。むしろ入射した光を今までのコダックのフィルムのように、いえいえ、なるべく、出来るだけ、極力フィルムのように受け止めてくれれば良いのですのですから。そしてM8で問題になった撮影時入射赤外線による色飛びの問題も CCD 側で解決、ライカオタクだからこそ許すメーカーとユーザーの癒着などと揶揄されたUV/IRフィルターをレンズに装着する必要がなくなりました。

 フィルターについては僕もライカオタクですから別に良いのですがライカ判35mm×24mmの撮像素子というのに感涙咽ぶのはもう僕だけではないでしょう。NikonCANON のフルサイズとは訳が違うんです。特にキャノンのフルサイズなど、別に昔のレンズと互換性があるわけでもなくただ最新の光学技術が投入された高性能レンズを昔の画角で撮影できますよってのに過ぎません。もちろんこれは悪いことではありません、否、むしろ素晴らしいことです。

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Leica M6 + SUMMICRON 35mm F2.0 2nd / Kodak T-MAX400

  • 典型的な僕好みの写真。被写体のお二人はトンデムンシジャンのアーケードの中で唐辛子屋さんを営むご夫婦。撮影データなんか残していないんで正確さは保障しかねるけれどこういう状況での僕の習慣から推測すれば、照明からはフレアを引き出したいし、人間の動きは止めてかつある程度のパンフォーカスも欲しいので f/5.6 で 露光時間1/30秒くらいで撮影していると思う。

 でもライカはそうじゃありません、前からフィルムで使っているスーパーアンギュロンやエルマリート、ズミクロンなどあたりまえの普通のレンズが使い勝手そのままにデジタルで使えるんです。そんなレンズ群、一部で神話化されているような至極の銘玉とか神のレンズとかそんなもんではありません。特に僕はカナダの第二世代に顕著なような、開放絞りでの撮影時にピントの山の曲線がベジェ曲線のようになだらかに連続するとか、フレアとゴーストを前提に被写体と光源の入射角を計算して成功したときの臨場感とか、あるいは適度に絞り込んだときの被写体のぞっとするような立体感とか、そういうのはオールドライカレンズの特徴ではあるし、僕などは其処が大好きでたまらんのですけれど、それは別に高性能なレンズということではありません。

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Leica M6 + SUMMICRON 35mm F2.0 2nd / Kodak T-MAX400

  • 撮影現場に入ったら最初に露出を決めて光が変わらない限り露出を変えないのでこちらの写真も前の写真と同じ絞りに露光時間。同じくトンデムンシジャンのアーケード街にある屋台の食堂のオンマ。彼女のピピムパはほんとうに美味しかった!ごちそうさま。M9はこんな写真が気軽にデジタルで撮れるんだからそれはもうワクワクしますね。

 むしろ光学性能の高さやら技術力ということで比べたら CANONのほうがきっと絶対勝れているでしょう。NikonPENTAX だってそうだと思います。コントラストだって現像時に手を入れなければCANONに敵わないでしょうし、カラーにしてしまえば色温度は低めな色になってしまう普通の昔のレンズなんですね。それなのにライカマニアが何故ライカに拘るかというと、勿論レンズの世代やユーザーの個人差もいろいろあるでしょうけれど、あまりにも撮影者に訴えてやまない先にあげた設計思想と、それを知って撮影する楽しみがある。しかもレンジファインダー、光のカラクリとも言えるレンズと撮像素子の取引の現場に撮影者を巻き込まない。撮影者は特徴を知った普通のレンズを信頼して光のカラクリの瞬間の現場に立ち入ることなくシャッターだけ押すのです。なんていうか他人任せ(カメラ任せ?)のお気楽感。

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Leica M6 + ELMARIT 28mm F2.8 2nd / Fujicolor SUPERIA Venus 400

  • こちらは別の日のインサドンにて。フィルムもディスコンになってしまったフジのSUPERIA Venus 400。この第二世代 ELMARIT 28mm というレンズは絞っておけばかなりの接写から遠景までパンフォーカスで撮れる。基本的にはそれを狙って f/16.0 露光時間 1/60秒。

 これがコダックの強力を得てデジタルでも出来るようになるというのは、ええなぁ、ええなぁ、「善哉、善哉、ライカカメラ」と法華経風に噛みしめてます(笑)。M8も魅力的なカメラでしたけど撮影者は慣れ親しんだライカレンズに対して二つのスタンダードを持たなくてはなりませんでした。でもライカ判のM9ならもうその必要はありません。銀塩とデジタルのレンズ選択に対する精神のあり方に対するシームレス。画角と被写界深度、周辺減光などあらゆるレンズに対するダブルスタンダードからの開放!ほんとに善哉、善哉です。M9、値段はいくらになるか分からないけど70~80万はするのかなぁ。でもPENTAXのスターレンズとかリミテッドレンズとか全部売っぱらても買いそうだな←じぶん。 撮りたいのは勝れた写真ではなく優れた写真。そのまま字の如く勝より優しくありたいんです、まずは自分に、そして他人にも。だから写真はやっぱり Leica ! なんですね。