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フィルムからデジカメへ、そして再びフィルムへ

空気と皮膚の親しさをフィルムは再現するけどデジタルはまだまだだ

川崎臨港工業地帯 I

川崎臨港工業地帯 I
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 自転車でポタリング撮影の時はやはりデジタルが気楽。今日の写真はオリペンE-P1のARTフィルタ・ラフモノクロで割り切って撮ったデジタル写真。TRY-X400のネガを4号に焼くというつもりで。でもこの工業地帯との時間的距離感は埋まらない。フィルムのようにパチリパチリと自分のペースに乗ってこないんだよなぁ。満を持したデジタルペンも電源オンからフィルムや現像を想定したARTフィルタオンでシャッターがきれる状態までゆうに15~6秒はかかってしまう。写真は中学、高校の頃から好きで友だちと九州や広島までSLを撮りに行ったりもした。あと当時まだガキの分際で神社仏閣の佇まいや空気は好きで(仏教は嫌で嫌で仕方がなかったが)様々な古寺や神社を巡礼したものだった。当時はまだまだモノクロ全盛時代で地元の街の写真店にネガを持ち込めば明くる日にはプリントを貰えたし午前中のうちに出せば夜には現像があがったりした。

川崎臨港工業地帯 II

川崎臨港工業地帯 II
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 始めて手にし中学を卒業するまで使っていたのはフジペットというブローニー判フィルムを使用するビギナー用のカメラだった。高校に進んでからはオリンパスのペンEM。わずか1年で生産が打ち切られた悲劇の機種でしたが電子シャッター、自動巻き上げ、自動巻き戻しという3つの新機能を搭載した画期的なカメラでした。幸いにもうちのは3年間の間、酷使にもかかわらず巷で言われたようなトラブルは発生せず思いつけば自動露出で瞬時に切れるシャッターは僕と被写体の距離感を自身の皮膚と触れる空気のようにとても近いものにしてくれました。

川崎臨港工業地帯 III

川崎臨港工業地帯 III
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 それが社会人になっていつの間にかすっかり写真から遠ざかり撮っても仲間たちのスナップ程度になっていきました。月日が流れたある日、谷根千界隈の友人がツアイスレンズを売りにしたソニーサイバーショットを購入。仲間内のイベントなどを次々と写真にするので約20年の空白にも関わらずこりゃ面白いぞと気分が高揚しました。でもいまいちソニーという会社がもうすでに好きではなかった僕は FinePix1300 を買う。この頃から再びまた写真を撮り出しました。しかし起動の遅さやシャッターが切れるまでのタイムラグの大きさにイマイチ納得がいかず数年後にはペンタの OPTIO S を買うことになります。

川崎臨港工業地帯 IV

川崎臨港工業地帯 IV
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 ところがさ、やっぱりしっくり来ないんだよね。確かにAFの精度やら旨く撮れた絵の美しさやらフジペットやオリペンEMに比べれば優秀なのは一目瞭然なのだけど撮りたい時に撮れないというジレンマが付きまとった。早い話前を歩く女子のスカートが風でパッとめくれてもシャッターが切れる時は既にスカートは元の位置に納まり、万歳をしてはしゃぐ人の手はもう下がっているのだ。

川崎臨港工業地帯 V

川崎臨港工業地帯 V
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 そのうちそんな違和感からFinePixOPTIO S もすっかり使わなくなった。あとだんだん携帯電話に付属するカメラの性能がそこそこ上がってきたというのもある。画素数だけならコンデジに引けを取らなくなったしなによりコンパクトで軽い。そしてシャッターが切れるまでのタイムラグは機能が少ないぶんコンデジより速い(←これがコンデジを使わなくなった一番の理由か)。僕のカメラはすかり携帯電話になってしまったのである。例えば先日再掲したアクアマリンふくしまの写真は携帯カメラである。→ http://d.hatena.ne.jp/lovelovebear/20110417/1303032460

川崎臨港工業地帯 VI

川崎臨港工業地帯 VI
E-P1 + M.Zuiko D 17mm F2.8 AE ARTフィルタ ラフモノクロ

 だからあることが起きなければ僕は今でも写真は携帯で撮って再びフィルで撮るようなことはなかっただろう。そのあることとは異業種交流の秘密結社NGPのオフ会での出来事だ。多分5~6年前のことだったと思う。友人のHN 赤い三角木馬さんに「くまりんさん、携帯なんかで写真撮ってちゃダメですよ!」ガーン、このひとことが僕に再び写真に向かわせることになる。そう考えれば自転車とともに老後の楽しみの二本柱になった写真熱に火を付けてくれた木馬さんには感謝をしてもしきれないといったところ。大恩人である。 (続く)