KumarinX Kaneko Ryogen Jean Michel Kaneko Photography MacOSX
読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ノスタルジアと現実、構想と偶然

Nostalgia
Nostalgia Leica D-LUX2 Aperture-priority AE
 今日のお題と掲げた写真はなんの関係もないんだけどちょっとだけは有るかも知れない。昨日、岡田昇さんの話題を出したらTwiterで畏友とも言える @junk4889 さんと星野道夫さんと岡田昇さんの話で少し盛り上がった。岡田さんの写真に対するアプローチは僕は山岳の森山大道だと思っていてもう10年以上まえだが @junk4889 さん に紹介させていただいた『ヒグマのコグマ』を始めて見た時からそう思った。だから僕的には同じ山岳写真でも当時は星野さんとはまったく違う価値観を岡田さんの写真に見だしていた。

 対して星野さんの写真は実に綿密に構想されて、おそらく添付されるテキストとともにダイナミックにカップリングされて構想され、光と被写体がイメージ通りにクロスするまで星野さんはテントを張ってそのタイミングを待ち続けたようなところがある。それはブレッソンだったりドアノーだったりあるいは土門拳 だったりする。だから星野さんがやろうとしたことも写真という自らの実存を賭けた表現媒体に対して真面目でストイックだったのだと思う。

 星野さんの行為をスピリッチュアルに意味づけしようとする人がいるのには驚く。先にも述べたように写真を軸に考えれば星野道夫の世界を変に神話的に精神世界で語ろうとすることは星野さんの意に反した行為だと思う。寧ろ星野道夫の仕事を美しいカレンダー写真に貶める失礼な行為なんだ。その考えは星野さんの友人、 大山 卓悠氏の「星野道夫 永遠のまなざし」を読んで実感し次の大山の発言を読んで確信するに到った。

星野さんはぼくたちの友人であって、それ以上でもそれ以下でもない存在でした。同じ目線でアラスカの生活を共有し、心を通い合わせることのできる、一人の友でした。だから変に星野道夫さんを神格化したり、特別な目で見たりする最近の風潮には違和感をもちます。ぼくの思い出のなかにある実際の彼と、様々な人たちが書き表す半ば神格化された星野道夫との間に、大きなギャップを感じるのです。確かに彼はユニークな人生を歩みましたし素晴らしい作品も残しました。しかし、だからといって死んだ人をあそこまで崇め奉るのもどうかなと思うのです。彼が生きていたら、彼が一番嫌がると思えるような持ち上げ方をする人が、彼の死後、急に増えたような気がするのです。大山氏のメール

事故を調べていく過程で、彼がクマに襲われたとき泣いていたと証言した人がいたからです。日本で発表された記事やニュースにはこのことは一切触れられていませんでした。星野さんがクマに襲われたことを気づき外に飛び出してきた連中は、クマに組み伏せられながらまだ息のある星野さんが声を出して泣いているのを見ているのです。ぼくはこのことを聞いたとき、胸がつぶれる思いでした。怖かったのだと思います。悲しかったのだと思います。もうだめだ、殺されると、絶望したんだと思います。Vol.40 Cliffrose Letter Apr.23.'06 イゴール氏と大山氏

 こう考えた時に星野さんの写真家としての仕事の価値が見えてくるのだと思う。たとえ詩のようなテキストとともに、構想されたとは言えそこには目の前の大自然を畏敬をもって複写するという一人の現実の人間が浮かび上がってくるのである。えっ?巻頭の写真となんの関係があるのかって?ノスタルジアっていうタイトルの胡散臭さを感じていただければ…と思います。だってあれはノスタルジアでもなんでもなく目の前の農村の現実なんですから。それに僕がちょっと関心を持ってシャッターをおしただけ(笑)

  • junk4889  @KumarinX これですな。『ヒグマのコグマ』。さっき丸の内の丸善で買ってしまいました。子連れのヒグマは警戒心が強いのに、至近距離から撮った写真が多くて実にイイですね。惜しい人をなくしました。 http://lockerz.com/s/114961281  [in reply to KumarinX]
  • KumarinX  そうです、そうです(^^)/ 巻末にコンタクトを繰り返すうち母熊が撮影許可してくれる話が出て来るでしょ。RT @junk4889 これですな。『ヒグマのコグマ』さっき丸の内の丸善で買ってしまいました。子連れのヒグマは警戒心が強いのに、至近距離から撮った写真が多くて実にイイですね~
  • junk4889  @KumarinX いくら母グマが許してくれてもここまで寄る根性はスゴイです。絵画的な画づくりという意味では星野道夫さんの方が好きですが、野生動物の優しさをありのまま切り取った岡田さんの写真もいいですね(^-^)  [in reply to KumarinX]
  • KumarinX  星野さんはブレッソンやドアノー寄りですね、山岳の。日本人なら木村伊兵衛。写真が構想されているのね。対して岡田さんは山岳写真の森山大道でしょw RT @junk4889 ~絵画的な画づくりという意味では星野道夫さん~ありのまま切り取った岡田さんの写真もいいですね(^-^)
  • KumarinX  .@junk4889 岡田さんのカムチャッカ物語に振り返りざまに仁王立ちのヒグマをそのままライカM3で撮った写真がありました。なんか自分の目の前の世界をただひたすら複写する感覚が大道さん風なんです。で、そのカムチャッカ物語読み返したくて探してるんですが埋もれて出てきません(泣)  [in reply to junk4889]
  • junk4889  @KumarinX 星野さんの写真集はあいにく手元にありませんが、光の捉え方と構図が抜群に上手かったのを覚えてます。まさにブレッソンですよね。対して岡田さんはスナップ、たしかに山岳の森山大道かも。もともと構図バッチリの山岳写真よりは登攀のスナップを得意としてたからですかね。  [in reply to KumarinX]
  • junk4889  @KumarinX 私も今日、丸善でカムチャツカのやつを探したんですが、在庫なしでした。逆に図書館とかのほうがあるんですかね。『壁WALL』なら行きつけのクライミングジムにあるのですが。(ノД`)・゜・。  [in reply to KumarinX]
  • KumarinX  .@junk4889 カムチャッカ物語、密林に古本も含めて結構ありますよ。私ももう一回買っちゃおうかな?と思ってます。星野さんは写真集にテキストもつけてるんで綿密に構想していると思います。光と被写体のクロスするタイミングを何日もテント張って待ってる様なとこありますね。それも偉業!  [in reply to junk4889]
  • junk4889  @KumarinX シャッターチャンスを何週間も待ってるイメージがありますよね。遠くにいる動物の配置が完璧だったり、あり得ないくらい美しい光の加減だったり。たぶん同じ現地にいっても同じ光景は見れないんでしょう。文章も味わい深かったです。  [in reply to KumarinX]

on Twitter

カムチャツカ探検記―水と火と風の大地

カムチャツカ探検記―水と火と風の大地

星野道夫 永遠のまなざし

星野道夫 永遠のまなざし