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NGPアンデパンダンはどこへ向かうのか?

アート瀬戸内 アート Photographe People
NGPアンデパンダンはどこへ向かうのか?

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ホワイトキューブでの作品発表からサイトスペシフィックとインスタレーションはどう繋がって行くのだろう。瀬戸内から帰って、ずっと忙しいというのもあったのですがいろいろ考えることも沢山あった。

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 普段、iPhoneで撮った写真以外あんまりFBにアップすることもない僕が瀬戸内の写真を追いかけるように矢継ぎ早でアップしているので、金子は tomy に惚れたんじゃねえのか?しょうがないヤツだなんていうせせら笑いも聞こえてくる夜の静寂の饒舌さもなきにしもあらずだが、たしかに tomy には心揺さぶられたし愛しさもひとしおだけれど心揺さぶられた愛しさは好いた惚れたではなく彼女がかけずり回って生き抜いた瀬戸芸の根底に流れる何かにあるのだ。

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 実際のところイベントとしての瀬戸芸閉幕後に残る作品をこえび隊を介して引続き公開するという昨年の真夏の夜の夢の余韻のような ART SETOUCHI 2014 に触れ、作家と地域とが共感し共生しながら連携し、それが観光と結びつきながら共感を再生産する瀬戸芸の根底に流れる何かに自分自身が揺さぶられながら、明日の、否、今日からの僕の作家活動のありかたに大きな動揺が訪れている。

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 写真作家としての僕が多少なりとも自分の作品を通して他者との共感や反感を得られるようになったのは韓国でのポートレートを題材にした AAA Gallry での Ryo.Y さんと柿沼基子さんとの三人展 Seoul's Breath にあることは山中さんのご指摘だけれど僕もそれは論を待たないと思っている。そうして今回瀬戸内で点数こそ Seoul's Breath ほどではないにせよ同じ思想の写真を撮ることが出来たと思う。工場で働く労働者を撮って「Io sono più fresco del presidente. (俺って社長よりかっこいい)」と言わせるのがモデルとカメラマンへの最高のギャラだというアラーキー荒木経惟さんの言葉が僕のポートレートの出発点になっているのだが、最近では今初夏のポートレート写真展 "porté portra portrait" のモデルになっていただいた Mariko Okamoto さんのポートレートもそうなのだけれど被写体の日常の中での共感と共生を出来ることなら晴れ舞台で写真にしたいという想いが僕の中には強くある。そしてそれを一人僕の写真にとどめること無く自分がプロデュースする写真展にまでどう拡げていくかということも知命を過ぎた僕にはとても重要なテーマなのだ。

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 そこで僕は tomy の心を捕らえた北川フラム氏に改めて大きな関心を抱くことになる。北川氏は新潟出身であるが tomy には新潟に親戚?がいるらしく瀬戸内に住むことを決める前は新潟に行きたかったそうだ。偶然だけども僕の父親は新潟の出である(Mayu も Moriyama もそうだったかも?)。そして北川氏の大地の『芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』の成功はなんらかの形で僕らの心の琴線を揺さぶっていたのは確認したことはないけれど絶対事実なんだと思う。それを前提に考えれば実際の話、tomy が横浜の小さなコミュニティを飛び出して瀬戸内の小島で新潟でのランドアート、アースワークプロデュースの成功をひっさげてやってきていた北川氏と出会いおそらく何の疑いもなく歓待しその圏下に身も心も寄せて働き始めたのは必然的だともいえるし、北川氏をはじめとして会田誠氏や眞壁陸二氏といういまをときめくアーティストとたちと触れ合えたのは素晴らしいことだと思う。そんなことに僕は微塵のジェラシーも感じることはない -笑-。そして彼女の素晴らしいところ、僕の読者の期待に添わせれば、僕にとって彼女の一番愛おしいところは、君たちの期待とは違ってホクロの位置が証明する彼女だけの乳房なんかではなく、北川氏、会田氏、眞壁氏らと島のおじちゃんおばちゃんとになんの分け隔てもなく他者絶対歓待、平等で接することが出来る彼女のはかりしれない許容量なのだ。彼女と過ごしたこのわずかな日々で僕は彼女が自分がされた仕打ちを決して他者にしないと決意と覚悟を持って過去にアガンジュマンしながら人間関係を再生産しているようにさえ思えた。まさに神業ならぬゴータマの境地である。

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 閑話休題、北川フラム氏と言えば新潟市美術館問題がある。ここ1年くらいだけれど僕の周りの人たちは大きく変遷し(というより新たな人々が増え)その中に糸崎公朗という写真家にして美術家、そして哲学者がいるが糸崎氏が北川氏が新潟市美術館長職を更迭されるという流れの中で新潟市美術館での展示とワークショップが出来なくなったという事実を知った。そして「新潟市美術館を考える会」を知る。初代新潟美術館館長・林紀一郎氏と多摩美術大学教授・本江邦夫氏の執拗な怨念とも言えるような北川フラム叩き。彼らは美術作品の保管、保全という美術館の最も重要な使命などというもっともらしい権威を傘にして北川氏を糾弾する。一方、東京芸大という日本美術の権威の象徴から出世した北川氏は日本美術の権威を脱構築しようとしているかに見える。だからといって瀬戸芸の成功が権威としての美術、すなわち権力にさえ左右されない旧来からの美術を全否定して勝者であることを意味はしない。

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 北川氏は「いままでぼくが戦略的にやってきたことというのは、要するに文部科学省ルートではなく、国土交通省ルートで美術市場を開拓することだった」という。写真を売って生業をたてている僕にとってアートは清貧である必要はないと思っている。清貧でない以上、ならば存在する意味はどこにあるのか。それは究極は自己満足にいくのだろうが自己満足出来る存在理由がなければならない。他者を通過することで得る自己実存の証明である。インターネットで互いの写真を褒め合うってなんの意味がある?時間の無駄じゃね?それより撮られた人の喜怒哀楽も一緒にシャッフルしようよ。それは共感も反感もその場でヴィヴィッドに享受して共感も反感もぶつけてくれる人たちと共生することではないのか。そのコミュニティーを地に足をつけて確実に拡げそれを実感しながら生きて死ぬことではないのか。なら北川氏の提唱する国土交通省ルートに自分自身と共感する作家たちを組み込んでいく価値があるのではないか。とそう思うようになった。

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 瀬戸芸であれ妻有トリエンナーレであれ写真館と集う作家たちが地域と共感して共生する方法はないものだろうか?とまじめに考えだしている。ユニットをそうした時と場所にどう組み込んでみようか。写真家たちが遠慮なくポートレートを撮る一方で一緒にイノシシ遮断の網を作るのもいいし、ゴミを拾って畑を耕し汗を流すのもいい。出来ることならキリのないほどに砂浜に流れ着くペットボトルを熱中症になりそうになりながら拾うのもいい。そういう環境でしか撮れない写真もまたあるはずである。カメラの使い方を伝えるのだっていいじゃないか。会田誠さんにありがとうと言われる食堂のおばちゃんが僕にいちばんいい一眼レフはどれ?って聞いてくるんだ。ネガの現像とプリントを島の小学生たちとやったって楽しいじゃないか!そして島の写真館にライカとTRY-Xで撮った島の人たちのポートレートが4Kの光でディスプレイに浮かびあがるもの最高にかっこいいじゃないか!そんな風に歩みだしたとき僕と田舎の写真館で価値観を共有する作家グループとNGPアンデパンダンはどんな距離と共有とを保ちながら歩むのかそろそろ考えはじめようと思う。

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 今年は市原を見る。来年は妻有大地を巡る。そして瀬戸芸を射程にいれる!

ART SETOUCHI 2014
http://setouchi-artfest.jp/

参考になるかな?と思った作家たちが地域と共感して共生するユニット
昭和40年会男木学校(瀬戸内国際芸術祭2013)」
https://www.facebook.com/showa40s?ref=stream

新潟市美術館問題
彦坂尚嘉の《第41次元》アート2 「北川フラム更迭される[状況と歴史]」
http://hikosaka2.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10-1

新潟市美術館問題
東京芸術史 「新潟市美術館問題は美術館問題(カビ、虫、北川フラムはさておき)」
http://tokyoartvillage.blog36.fc2.com/blog-entry-378.html

ART IT 連載 美術と時評 椹木野衣 「美術はだれのもの?——北川フラム更迭問題をめぐって」
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_contri9_j/1NJSIzWbYGckvhiFqnTm/

北川フラム氏のアートプロジェクト思想
「第2回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003」
総合ディレクター:北川フラム氏に聞く
http://www.dnp.co.jp/artscape/view/focus/0301/kitagawa.html