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遺書が表現する東条英機のリーダーとしての無能

石原莞爾が指摘した東条英機の無能は遺書にもあふれている

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東条英機 : 第40代内閣総理大臣 東條英機の遺書全文 – JPNEWS24 より
 石原莞爾が東条はバカだとこき下ろしているが、一番の傑作は東京裁判の判事が東條との確執について質問したとき「私には些細ながら思想がある。東條という人間には思想はまったくない。だから対立のしようがない」と言ったことか。
www.jpnews24.net
この遺書をみても石原の指摘通り東条がリーダーとして能力がないのではないかという文脈が見られる。
「ただ、捕虜虐待 等など、人道上の犯罪に 就ついては、如何にしても残念、古来より 有あり 之これ日本国民、陛下の 仁慈じんじ及び 仁徳じんとくを徹底せしめ得ざりし、 一いつに自分の責任と痛感す。
  然しかして 之これは単に一部の不心得より生ぜるものにして、全日本国民 及および軍全般の思想なりと誤解なきを世界 人士じんしに願う。」
自分の責任というのは易いが、要は個人の資質に責任の所在が置き代えれら、ここにはどうして捕虜虐待をせざるをえなかったかという日本軍の状況的考察も反省もない。今で言えば対応バイアスによる無思想な発言で石原の指摘を待つまでもない。
 これがあの時代のひととしては常識であったなら「法の不遡及」 に反するというものだが戦争指導会議だったか参謀本部の会議議事録だったかをみると石原は南京入城の決定に際して兵士の置かれる状況を考慮すれば兵站が満足にとれない進軍はするべきではないと南京入城に反対している。
 東京裁判で南京入場に際しての日本軍の略奪や強姦を告げられた東条は皇軍の兵士がそんなことをするわけがないと絶句していたが、石原は入場前の作戦会議ですでにその事態を予測していたわけだ。
 その他「赤」とだけで悪と断罪するマルクス主義に対する知識と教養もソ連の数次に渡る5カ年計画とコルホーズ、ソホーズを研究し満州建国の国家戦略も倣おうとしていた石原とは雲泥の差がある。
ブログ主には大変失礼だが、東条英機の再評価を試みたようとした記事が奇しくも改めて東条の無能を知らしめる記事となっている。

石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人 (双葉文庫)

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東條英機 歴史の証言 (祥伝社黄金文庫)

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地ひらく〈下〉―石原莞爾と昭和の夢 (文春文庫)

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