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ベトナム家庭料理 QUAN AN TAM

フランス料理の薫陶を受けていないベトナムの地料理

 上野の帰りは自由が丘のベトナム家庭料理店 QUAN AN TAM へ。ここの料理はかつての盟主国フランス美食術の薫陶を受けていないベトナムの土着的な料理だ。アジア的な香辛料をふんだんに使いニョクマムを縦横無尽に駆使しながら味のバリエーションを作り出しているところが楽しい。ここで料理を担当しているのはベトナムからやってきオフクロさまたちで味のメリハリとバリエーションはなかなかのもの。最近は前に紹介した北アフリカのレストランと言いうちの近くに出来た香港屋台と言い現地の方が腕を振るう店が増えてきた。これはとても歓迎すべきことだと思っている。せっかく東京にいるのだから収入のあるうちに出来るだけ沢山の世界の料理店に行って味や調理法を考えその味をなんとか舌にたたき込んでリタイヤ後の楽しみにしたいと思う。なぜなら水上勉さんじゃないが呑み喰らうことは人間が一日のうちに避けて通ることが出来ない一大事だからだ。やがてリタイアの時が来たら僕は家族と共にどこか田舎に引っ越しいままで仕事のために費やしてきた時間の一部を自分と家族と訪れる友人の為の調理に費やしたいと思うのだ。

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  1. まずはサイゴンの地ビールで乾杯。
  2. 海老と青パパイヤと豚耳とナッツのサラダ、オニオンフライ添え、甘酸っぱく調味したタレでいただく。
  3. 豚肉入り春巻きのフリット。薄春巻きはパートブリックのように脆く危なげでしっかりしたアパレイユの味付けが甘酸っぱいタレとよく合う。タレの塩分は春巻きの味付けに合わせて控えめになっているところがミソ。
  4. 牛肉、セロリと色とりどりのピーマンの炒めもの。ニョクマムが生きる生きる。ソースにアンチョビを使ったローマのビフテキを思い出した。

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  1. テンプラニーニョとカベルネソーヴィニオンをブレンドしたスペイン産の NUVIANA。濃厚ではあるけれど乳酸っぽさがない分スパイシーな料理ともツーツー行ける。ニンニクや香辛料にワインは合わないというフランス人の言いぐさがちゃんちゃら可笑しくなってくる。
  2. 小エビ入り蒸し春巻き。米の袱紗から美味しいジュースが溢れ出るのはアジアの米文化圏の誇る食文化だと思う。次はそのアップ、Leica D-LUX2 は料理を撮ったらピカ一だ。
  3. 白瓜とプリプリ海老の炒め物。瓜に火を通すのはヨーロッパでもアジアでも見られる手法。控えめなニョクマムが他の皿と味をダブらせない。

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  1. 白瓜とプリプリ海老の炒め物の Leica D-LUX2 マクロモード。さっと撮って料理を記録に残すという意味ではうちのカメラの中では群を抜いている。大切なのは写真を撮ることだからこの際機材は問わない。 DC Vario-Elmarit 28-105mm というレンズは料理を撮るときに僕の目になり意志通りに働く。
  2. ダイニングから厨房を見る。掛け物のベトナムらしさが微笑ましい。
  3. ちょっと面白かったダイニングの煉瓦積の柱。 DC Vario-Elmarit 28-105mm は絞り開放でもご覧のようにかなりのパンフォーカス。
  4. 同じアングルから smc PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited で撮る。透過光の美しさとふんわりボケた柱型の対比から彩度を無くしてモノクロで現像してみる。

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  1. 遅くなって空いてきたダイニング。
  2. コンデンスミルク入りベトナム珈琲。
  3. 店構えを撮影したときは既に準備中の札が。
  4. キャッシャーの下にあった仏壇。今日は仏壇を清掃する日だそうでギャルソンをしていたベトナム人の青年は丁寧に清掃した後、焼香して供養していた。この功徳が普く一切に施されますように。

 僕が学生の頃、ホワンというベトナムからの留学生の友人がいた。アメリカが敗退しサイゴンが開放されホーチミン市になったとき数人のグループが彼を訪ねてきた。数分の口論の後彼は連れ去られてしまった。それから行方がまったくわからない。彼は南ベトナム軍の将校の息子で兵役を免れ日本に留学していた。彼は実は僕の最初のフランス語の教師であり西洋料理のマナーを教えてくれたひとでもある。僕は彼は共産軍に死刑にされたのではないかとその当時から危惧していたので食後に米から作られたというココナッツミルクのような風味を持つベトナムウオッカを戴きながらベトナム人のギャルソンとそんな話をした。彼曰く形は厳罰にあったような当時のそう言う人々も実は影では大切にされたから死刑はないのではないかと言っていた。「ホーチミン市に行って彼との付き合いを新聞広告すればあえるかも知れませんよ」と彼は言った。よし今年の冬はベトナムに旅行しよう。