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A fulfilled life - Jean Michel Kaneko Photograhie

知足是福。音楽家・演奏会の写真がメインのカメラマン、公開OKの作品は掲載中。IT企業役員、趣味で料理の YouTuber、趣味は仕事と同様大切でロードバイクと料理とワインフリーク。

TELE-ELMARIT 90mm F2.8

中望遠の良さを改めてしみじみ知る

f:id:kumarin:20071029191748j:image:w600

Deux dans Le Plein Rayon : M6 + TELE-ELMARIT 90mm F2.8 1/125sec f/4.0 ILFORD XP2 Super400

  • ネガからのプリントが間に合わなかったので研究室のスキャナ(CanoScan LiDE 50)で同時プリントからスキャン。家の Epson FU-3200 でネガからスキャンすればもう少し階調が豊かになるのでそのうち差し替えるつもり。本文にも書いたがこのくらいの距離=といっても10mくらいだが=が被写体とあるとかなり余分な周囲が写り込む。男性の影の先端がブライトフレーム左下の角ギリギリにはいるように構図したが実際はご覧の通り。これはもう経験で身体に覚え込ませるしかない(笑)
  • 実はこの写真キャノン EOS Kiss にどでかいシグマレンズを付けたオッサンも僕が撮り終わると同時に僕の遥か後ろで撮っていた。多分あれは 300mm ズームの F6.3 くらいのヤツだから構図は同じようなのを考えていたんだと思う。きっと遠近感の無い圧縮された写真になるんだろうな。第一シグマだったらこの逆光なら本人はカラーのつもりでもちゃんとセピア調になってくれるしね。そんな遠くにいないで60mmくらいにして僕のそばまでくれば良いのにと思ってしまった(笑)

 ライカレンズ、次は何を買うべきかと、そうか MORE のあやもぁ中村家のライブがいよいよだなと考えながらそれなら望遠だと TELE-ELMARIT 90mm を導入した。広角系に行くか望遠系にいくかと悩んでいたのだが(なにしろ一月に買える予算は限られている)n. でのライブなら望遠系、特に中望遠に決まりだ。どうせ M6 で撮るのだからとりあえずレンズはまずはライカのみを集めようと思うのだ。フォクトレンダやら往年のキャノン、ニコンはそのあとでも遅くはない。そこでその望遠系、ライカレンズにはいろいろと選択肢があっていろいろ考えるだけでも楽しい。結局コンパクトさということとせめて F2.8 は欲しいと結論を導き出して TELE-ELMARIT 90mm となったわけ。ELMARIT が冠されているから開放F値は当然 1:2.8 である。

 さてフィルム2本ほど撮ってみてピント付近のライカらしいこってりとした描写と、ボケの部分の光がほわっと丸いリングを結ぶところがまず気に入った。そしてひょっとするとライカに限らずデジタルには目もくれずにずっと銀塩写真を撮り続けている方には常識なのかもしれないが 90mm くらいの焦点を持つレンズのピントの山のなだらかさ、というかピント付近の立体感というかがとても良い感じなのを改めて再認識させられた。このクラスのレンズを APS サイズデジタルで使うと 135mm 相当になってしまいピントの山付近の遠近感が圧縮されてしまって写真が平坦になってしまうのである。そして APS サイズデジタル に比べればことのほか被写体に自ら寄っていかなければならない。だから勇気も1.5倍は必要だし必然的に被写体になる方とのコミュニケーションが増えるのである。

 このレンズ近距離ではよいのだが少し遠距離になるとブライトフレームがアテにならない。ブライトフレームより余計に周囲が写り込むのだ。これはレンジファインダーのある種の限界なのかと思う。距離によって余計に写り込む範囲がどの程度かは経験を積み重ねるしかないがなるほどライカは撮影者に訓練を要請する(笑)。これでライカ全盛時代トリミングが作品作りに多用されたのも納得がいく。しかしこれが一眼レフだと写る範囲しかファインダーから見えないから決めた構図で構えると予期しない第三者の出演にビックリすることになるのだ。けれどレンジファインダーならフレームの外に控えている第三者がいまにも出演しそうなことがちゃんとファインダー内で分かるから出演される前にシャッターを切ってしまうか、ちょうど良い場所に移動してから出演してもらうかは撮影者の意のままになる。なるほど往年のライカ使いの巨匠にとって世界はみんな自分のスタジオだったわけだ。

  このレンズは比較的安く10万円を切る値段で買えたので今月はもう一本とついつい物欲の食指が動く。うちの 50mm ズマリット F1.5 は普段持ち歩くにはちょっとでかくて重い(真鍮鏡胴のコイツは明るさと引き替えにペンタの A 50mm より重い)から、よし!撮るぞというとき専用に廻して昼の散歩やスナップ用に軽くてコンパクトな沈胴式の 50mmエルマー F2.8 を調達しようか、ファインダー像を拡大して 90mm のブライトフレームを使える眼鏡付きのエルマリート 135mm にしようか悩んだがこれはもうエルマリート 135mm で決まりだ。90mmのブライトフレームでのピント合わせがこんなに楽ならば いまの僕のスタイルからいって 135mm は世界を広げてくれる。フジの ISO1600 NATURA 1600 で撮れば夜のライブでも結構いける!こうなるとチタンモデルなどと贅沢を言わずにはやいとこ LX を手に入れて FA☆ 85mm や A☆135mm を一緒に持ち出して撮り比べてみたいものである。


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