中村太地 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品 35
アマデウス・ソサイエティー管弦楽団第54回演奏会 -ソリストとして招かれた中村太地さん。聴取を魅了し続けた独奏でした
こういう方は肖像権等の関係上、なかなかこのようにブログでご紹介は難しいのですが、今回は所属のテレビマンユニオン吉本さんと中村さんご本人の許可をいただいてのご紹介です。
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品 35
コンサート2曲目、若干のステージ模様替え後オーケストラの入場とチューニング、柳澤マエストロに続いて颯爽と入場する中村太地さん。簡単なご紹介以外は音楽の解説はせず、16枚の写真をお届けします。低中音の和音、中高音の和音、ピッチカート、音場を創る中村さんの素晴らしい表情をぜひ最後までご覧ください。
1000人弱の聴衆の見守る中、オーケストラ主導で第一楽章が始まる。最後にこのコンサートに足を運ばれた方のTweetをピックアップしておきますのでそちらもご覧くださいね。
中村太地さんは福岡県北九州市出身、3歳よりヴァイオリンを始め、ウィーン国立音楽大学にて学び、2017年にブラームス国際コンクールにて日本人初の優勝を飾り、直後に行われたリピツァー国際コンクールでも第3位入賞。
これまでに新日本フィルハーモニー交響楽団、サンクトペテルブルク交響楽団など内外多数のオーケストラと共演、僕がお世話になっているワイン友達でもある曽我大介マエストロとも多数共演されており、現在はウイーンにを拠点に音楽活動をされる若手の実力者です。
ひとつだけ音楽について語ると、このチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトは、中村さんが優勝されたコンクールに冠されたブラームスのヴァイオリンコンチェルトと同じ1878年に作曲されましたが、ブラームスの作品が翌年1月ブラームス自らの指揮でヨーゼフ・ヨアヒムの独奏、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で大成功を収め、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、と並び称され3大ヴァイオリン協奏曲と言われる様になったのに対して(...次の写真の後に続く)
チャイコフスキーは完成した楽譜を早速パトロンであったメック夫人に送るものの夫人からの賞賛は還らず、初演の依頼をした当時のロシアで最も偉大で高名なヴァイオリニスト、ペテルブルク音楽院教授レオポルト・アウアーから演奏不可能な楽譜として初演を拒絶されました。結局初演は2年6か月の歳月を経てライプツィヒ音楽院教授となったロシア人ヴァイオリニストのアドルフ・ブロツキーが着目し彼の独奏により、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で行われたが、リヒターもウイーンフィルも理解を示さず『悪臭を放つ音楽』とまで酷評されてしまいました。(...次の写真の後に続く)
この曲が日の目を見るのは、ブロツキーが酷評にひるむことなく、様々な機会にこの作品を採り上げた結果として、この作品の素晴らしさが理解されるようになってからでした。初演を拒絶したアウアーもこの作品を演奏するようになり、ペテルブルク音楽院に学んだ弟子たち、後に世界的なヴァイオリニストになっていくエフレム・ジンバリスト、ヤッシャ・ハイフェッツ、ミッシャ・エルマンにこの作品を教え、彼らが名演奏を繰り広げるまで待たなければなりませんでした。そしてその成果でベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスに並び4大ヴァイオリン協奏曲と称されるまでになったのです。
偉大な芸術は、その誕生時は他の偉大な芸術家ですら理解ができないということもある典型です。もし僕たちがこうした今日の名声の背景を知らずに聞いたとしても素直に感動できる感性を持っていたいものです。
この日の演奏、皆さんもご存知だとは思いますが通常クラシックのコンサートでは第一楽章と第二楽章の間に聴衆の拍手はありません。例えばこの曲目で言えば、名演と言われる1995年、ベルリンで行われたクラウディオ・アバード指揮ベルリンフィルでの 五嶋みどりさんの演奏ももちろんそうでした。しかし、この日は第一楽章が終わると拍手がありました。
音楽は語らないと宣言していたのにいろいろお話ししてしまいましたが、これはこの日の演奏を語ったわけではなく、この曲のエピソードとしてのお話ということでご容赦ください。
第三楽章の最後の音を弾き終わった瞬間の中村さん。
柳澤寿男マエストロとガッチリ握手。
アンコール・ J.S.バッハ,無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV1006より「III. Gavotte en rondeau」
聴衆の方だけでなく、オーケストラ、マエストロ、会場にいるすべての人が聴衆になりました。
コンサートに来場された方々から寄せられた称賛の Tweet
昨日は #ヴァイオリニスト #中村太地さん の演奏会が奇跡的に
— かおるん🇧🇻🎵 (@saito212206) March 1, 2020
開催されました✨🎻
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲🎼🎻鬼気迫る、気迫のある
素晴らしい演奏でした✨
穏やかな旋律は耳元でささやいているような繊細な音色🎻✨
超絶技巧も軽々と演奏される姿、貫禄さえ感じました#ohayomorning
中村さん今夜の演奏素晴らしかったです😭😭
— シマリス (@shimarisukun1) March 1, 2020
何か中音域が以前(ホテルの地下での演奏会の時?)よりも凄い響きが増してて驚きました😭
アンコールのBachも👏👏
1楽章で拍手出たのも頷けました👏👏
おはようございます。
— かおるん🇧🇻🎵 (@saito212206) March 1, 2020
私も演奏会に行きました🎻
素晴らしかったです✨✨
中村太地(大地じゃないよ)さんというヴァイオリニストはお初、協奏曲では左手のポルポルした感じ、右手のリスリスした感じ、なんだろヴァイオリンで鍵盤的な音楽が出来る方なのね。アンコールのバッハで繰返し部分に装飾入れたり。なかなか複合的なソリストさんだ(=゚ω゚)
— アンジロー(オカメインコ) (@angerot) March 1, 2020
アマデウスソサエティ演奏会@アプリコ行ってきたンゴ👍やはりコロナの影響もあって客入りは6割くらい…?シベ7初めて聴いたけど良い曲やね👌中村さんの🎻聴いたの久々だったわー何か中音域の幅広がってて👍さすがは我らが九州の🎻の貴公子やわ😎
— シマリス (@shimarisukun1) March 1, 2020
アマデウス・ソサイエティー管弦楽団第54回演奏会
自粛ムードの真っ只中、主催者の方々、出演者の方々、来場されたお客様、すべての関わった方々に敬意と感謝を表します
- 自粛ムードの真っ只中、主催者の方々、出演者の方々、来場されたお客様、すべての関わった方々に敬意と感謝を表します
- 第54回定期演奏会
- シベリウス 交響曲第7番ハ長調
- チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調
- リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」
世の中、新型コロナウイルスで多くのイベントが中止されるなか、アマデウス・ソサイエティー管弦楽団第54回演奏会は予定通り開演されました。
第54回定期演奏会
柳澤寿男マエストロとアマデウス・ソサイエティー管弦楽団によって用意周到に準備された本コンサート。ファンの方々がひやひやされて「予定通りとは告知がありましたがホールに着くまではドキドキでした(かおるん @saito212206 さん)」という中無事に開催されました。
ヴァイオリンソロに2017年、ブラームス国際コンクール・ヴァイオリン部門で日本人として初めて優勝した中村太地さんを迎えてチャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲ニ長調、
ゲストコンサートマスターに2014年、ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール(@フランス・パリ)第2位受賞、併せてコンチェルトの最良の解釈に贈られるモナコ大公アルベール二世賞をはじめ国内外の音楽賞を多数受賞している青木尚佳さんを迎えて、リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」を演奏。
予定どおり開催され、Twitter でも話題になりましたが多くの方と勇気と希望を分かち合えたコンサートだったのではないかと思います。
以下写真が数枚続いては記事がありますのでご関心があれば写真と一緒に是非読み進めてください。
写真は演目ごとにまとめているようにしていますが、必ずしもその演目のタイトルのものではない場合もあります。が全てこの日の写真です。記事の最後に、この記事とは別に掲載する中村太地さんと青木尚佳さんの記事と写真について書いていますのでファンの方はぜひ最後まで読んで下さいね。
楽団員の方の中には普段はサラリーマンをされている方もいらして所属会社の要請(命令?)で大人数があつまるイベントや会合には行かないようにということで泣く泣く出演を断念された方もいらっしゃると伺いましたし、お客様の中にもそういう方もいらっしゃるでしょう。残念ですが次の機会にまたお会い出来たら嬉しく思います。
シベリウス 交響曲第7番ハ長調
この曲は柳澤寿男マエストロのご意思と選曲だと楽団員の方に聞きました。シベリウスはフィンランディアが有名ですがこの交響曲も非常に美しい曲だと思います。僕にはマーラーの曲のような雰囲気に聞こえましたがこれ以上は語りません。
僕の仕事、使命は音楽の映像を伝えることで、音楽を批評したり語ることではありませんから。ただ、この仕事をさせて頂いてとても幸福だと思います。好きを仕事にしているので頑張ってやるしかありません。
以下は演目をタイトルに写真ばかりになりますが、どうぞ、ご高覧ください。
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調
素晴らしいチャイコフスキーでした。
昨日は #ヴァイオリニスト #中村太地さん の演奏会が奇跡的に
— かおるん🇧🇻🎵 (@saito212206) March 1, 2020
開催されました✨🎻
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲🎼🎻鬼気迫る、気迫のある
素晴らしい演奏でした✨
穏やかな旋律は耳元でささやいているような繊細な音色🎻✨
超絶技巧も軽々と演奏される姿、貫禄さえ感じました#ohayomorning
リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」
バレーの曲だそうです。楽団員のヴァイオリニスト・中島順子さんから教えて頂きました。ヴァイオリンコンチェルトのようにバイオリンソロがあります。
演奏中のお写真ってあまり手元にないので嬉しいです✨
— 青木尚佳 Naoka Aoki (@naoka_a_vn) March 2, 2020
昨日は特に、思い出深い演奏会となりました。
この公演に携わってくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです💕
シェヘラザード、またすぐに弾きたい‼︎ https://t.co/7KOw8DZY3V
最後までご覧いただきありがとうございます。中村太地さんと青木尚佳さんの記事と写真はこの記事だけでは紹介しきれないので、このまま続きの形でお二人それぞれ掲載させて頂きます。また青木さんについては本当に美しく悲しく伸びやかだったシェエラザードのエンデイングソロとラストのスタンディングオペレーションのみですが動画にもしましたのでそちらもご期待ください。
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