Hotel Normandy
パトリシア・カースに震えながら
オテル ノルマンディ: M6 + SUMMICRON 35mm F2.0 f/8.0 1/250sec ILFORD XP2 Super400
- 一昔前のフランス映画のようにコントラストが低めの中間トーンの階調を味わうためにシャッタースピードを一段遅くしている。全自動のデジタルカメラで言えば露出補正 +1.0EV というところか。そのおかげで全体がフレアがかった調子になり自分としては良い感じになった。本当はこういうケースではフレアが美しく出るズマリット50mmで撮りたいところだったがいかにも画角が狭すぎた。実際35mmでも少し狭い。旧世代ウェッツラーのエルマリート28mmやスーパーアンギュロンがいよいよ欲しくなってきた。やっぱりライカは広角とモノトーンがよく似合う。そして写真は実は箱根
パトリシア・カースがエディット・ピアフの再来と言われるようになってもう10年は経つ。フランス人達はみなパトリシア・カースが大好きだ。人生はあまりに切なく苦しい。もの静かで美しいメロディーを彼女のハスキーな声が力強く歌い上げ、その切なさ苦しさを踏み越えてしまう。その歌声はナチスドイツ支配下の暗黒の時代のル・マルセイエーズのようにフランスの魂を揺さぶる。
だからフランスの国民的なアイドル、歌姫である彼女の歌声はフランスのどの風景ともよく合う。当たり前のことだ。だからノルマンディの -- 日本で言えば青森の果てのような -- 寒い郷の木賃宿が日差しに包まれるといつものノルマンディーの光には少し過ぎて窓は一斉に曇り、花台のある窓のシャッターが半分降ろされたノルマンディーらしからぬ風景にもカースの歌声は違和感なく溶け込んでしまう。こんな風景にはモノトーンのそれもエディット・ピアフが出てきそうなセピア調のモノトーンが似合う。モノトーンは時代の色彩豊かな華燭を剥ぎ取りピアフとカースの時を統一する。すこしだけいつもより眩しいノルマンディーの午後。
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