ヒグマのニュース二つです
悲しいけどしかたがないことだよね
ハンターを非常勤特別職に/浜中町
浜中町はヒグマ対策として、町内のハンターを非常勤特別職に委嘱し、駆除出動した場合に報酬を支払う制度を導入する。昨年10月に町内でヒグマによる死亡事故が発生したのを受け、町としての新たな対策を講じたもので、住民の安全確保を目指す。 町では昨年10月14日、茶内で男性2人が死傷する痛ましい事故が発生した。こうした事態を受け町として、新たにヒグマ駆除対策を講じることになった。 今回のヒグマ駆除対策では、町長が猟友会浜中分会のハンター12人を非常勤特別職に委嘱。駆除出動すると、1日1万5000円を報酬として支払う。18日に委嘱を行うことにしている。 町農林課によると、人畜に被害が出た場合や市街地付近でヒグマがひんぱんに目撃され、危険性が高い場合に町が出動を要請する。「ハンターが出動しないことが幸いだが、駆除には危険が伴うのでこうした制度を設けた」(町農林課)という。釧路新聞:ハンターを非常勤特別職に/浜中町
北海道の地方行政はヒグマと人間の共存に真剣に取り組んでいると思う。クマだって襲われれば警戒態勢を敷く。人間も自然の一部である以上そういう体勢はとらなきゃならない。
- くつろぐポロ(左)と木の皮で遊ぶポン(右)
でもね、ヒグマは本当はとっても温厚な動物なんだ。それを人間の傲慢さが凶暴にしてしまったんだからね。1996年にカムチャツカ半島でヒグマに襲われ死亡した自然写真家、星野道夫さんは次のように言っている。素敵な言葉だね。
自然とは人間の暮らしの外にあるのではなく、
人間の営みさえ含めてのものだと思う。
美しいのも、残酷なのも、
そして小さなことから大きく傷ついていくのも自然なのだ。
自然は強くて脆い。
オオカミはカリブーをおそい、
カリブーはコケモモの実をついばみ、
フクロウは鳥たちのヒナをおそい、
鳥たちは小さな虫を食べる。
---- 生まれかわっていく、いのちたち。
人間にとって、野生動物とは、
遥かな彼岸に生きるもの。
その間には、果てしない闇が広がっている。
その闇を越えて、人間と野生のクマが触れ合う瞬間があるものだろうか。星の道夫展「星のような物語」より
その星野さんのヒグマとの事故についてカナダ・カルガリー大学のスティーブン・ヘレロ教授はその著書「ベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (1)」日本語版の最終章で事取り上げ、追加調査の結果を掲載するとともに序文では、哀悼の意を表しながら次のように述べている。「星野氏を殺したクマは、彼が愛した、まだ人間によってそこなわれていない野生のままのクマではなかった。以前のある時期、ビデオ撮影のために意図的にえさを与えられていたようである。」と。
こちらはほのぼの良いニュース
生命の森で 知床自然日記: 雪解けの味
昨晩遅く、激しい雷とともに降った雨が知床の大地を濡らしていた。川は、雪解けの水で白く濁り、そこに雨が降ると加速度的に水かさを増して、茶色の濁流となって流れている。川岸にも緑の野草がたくさん生え始めて、春本番をむかえていることを感じさせてくれる。以下はリンク先をどうぞ生命の森で 知床自然日記: 雪解けの味
そのあとヒグマも冬眠から覚めていたるところで活動しているようだというテキストとともに「雪解けの水を飲むヒグマ」の写真を掲載している。では、では。
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